11月18日、ベネズエラ戦を翌日に控え、日本代表の森保一監督がパナソニックスタジアム吹田で前日会見を行なった。先のキルギス戦に帯同していない国内組を多く招集した今回の試合で指揮官はどんな狙いを持って臨むのか?

上写真=ベネズエラ戦の前日会見に臨んだ森保監督(写真◎サッカーマガジン)

国内活動から合流した9人

 キルギス戦に帯同しなかった選手を9人を加えた今回のメンバーで、どのようにベネズエラ戦に臨むのか(うち初招集は4人)。指揮官は、前日練習の内容を踏まえて変更の可能性があることを示唆しつつ、次のように語った。

「基本的にはキルギス戦を戦った選手たちを軸に明日のメンバーを考えていきたいと思います。しかしながら、長距離移動でかなり疲労も蓄積された中での戦いになるので、そこは昨日のトレーニングを全員で行ない、今日のトレーニングも全員で行なえますが、選手のコンディションも練習の中で見て、明日の選考につなげたいと思います」

 採用するフォーメーションについてもこう明言している。

「3バックも4バックも考えて、今回のメンバーは選考しています。明日に関しては基本的には4バックをスタートでは使いながら、試合途中でどうしていくかということを考えたいと思います。ただ今日のトレーニングで内容を見て変わるかもしれないですけど、そのときはお許しください」

 あらためて整理しておくと、キルギス戦に出場し、ベネズエラ戦にも引き続き帯同しているのは以下の選手になる。

GK権田修一、DF植田直通、MF柴崎岳、原口元気、中島翔哉(途中出場)、山口蛍(途中出場)、FW永井謙佑、鈴木武蔵(途中出場)。このほか、出場機会がはなかったものの、キルギスに帯同していたのが、GK川島永嗣、室屋成、佐々木翔、畠中槙之輔、MF橋本拳人、浅野拓磨だ。

 指揮官の言葉のままであれば、ベネズエラ戦は彼らが軸となって戦い、途中から国内の活動から加わった選手たちと初招集の選手たちを試すことになりそうだ。

 ちなみに、国内活動から参加しているのは、GK中村航輔、DF車屋紳太郎、三浦弦太、進藤亮佑(初招集)、荒木隼人(初招集)、MF大島僚太、古橋亨梧(初招集)、井手口陽介、FWオナイウ阿道の9人になる。

狙いは選手層の拡充

 今回の代表活動の狙いの一つとして、招集メンバー発表会見の際に「選手層を厚くすること」と話していた指揮官は、国内活動から合流した選手たちに関し、こんな期待も述べた。

「選手たちにはスペシャルな特徴があると思いますし、それぞれに強みを持っている選手の集まりなので、まずは自分の良いところを思い切り発揮してもらえればと思います。そこはチームのコンセプトの中で自分の持ち味を発揮してほしいと思います」

 チームコンセプトの中でいかに個々の特長を出せるか。それを見極めるのが今回の合宿であり、明日のベネズエラ戦ということになる。

「4バックや3バックだからといって、われわれのやっていることが全部伝わるというふうには思っていませんし、4バックであろうが3バックであろうが、攻撃のコンセプトや守備のコンセプトは選手にその局面での戦い方が伝わるように、今日もトレーニングがありますが、時間を有効に使って伝えていきたいと思います。
 チーム全体で戦術的な練習ができたのが昨日と今日の2回になりますが、ミーティング等々ではわれわれがどうやって戦っていくかということを(伝えている)。システムを伝えるのではなくて、トレーニングは今日が最後になりますが、その局面によってどうするということを選手たちには伝えています」

 今回の11月シリーズで同時に活動していたU-22日本代表も含めた日本代表のラージグループの中で、森保監督は層の拡充に努めてきた。厚みはそのまま日本代表の向上にもつながっていく。

 明日の親善試合で、より期待されるのは、これまで出番が限られてきた選手たち、そして新しい選手たちの活躍だろう。それも指揮官が設定する代表の水準に照らして、実りをもたらしてくれると想像させるだけの活躍である。

取材◎サッカーマガジン編集部

おすすめ記事

サッカーマガジン 2019年12月号


This article is a sponsored article by
''.