高円宮杯プレミアリーグEASTでも熱戦を繰り広げる両雄の対決は、互いに90分間でゴールを奪うことができず、10分ハーフの延長戦へと突入する。迎えた延長後半の104分、DF福井啓太のパスを受けたFW山崎倫が右足で決勝ゴールをスコア。清水ユースとの110分間の激闘を制した大宮U18が準決勝へ駒を進めた。

上写真=大宮U18の完封勝利の立役者となったGK久保(写真◎サッカーマガジン)

■2019年11月4日 2019Jユースカップ準々決勝(Jヴィレッジスタジアム)
清水ユース 0-1(延長) 大宮U18
得点者:(大)山崎倫

キャプテン不在でも奮闘。「陽介がいなくてもできるんだぞ」

 大宮U18の守護神は、最後までゴールを守り続けた。90分間で決着がつかず、延長戦にまでもつれ込む激戦。「まずは自分が(失点)ゼロに抑えることが、この拮抗した試合では大事だと思っていた」。GK久保賢也は、FIFA・U-17ワールドカップを戦う主将のDF村上陽介から託されたキャプテンマークを左腕に巻き、110分間にわたって“砦”となった。

「(村上)陽介がいなくても、しっかりチームでできるんだぞ、というところを見せたかった。今、陽介が自分たちの代表として日の丸を背負って、世界と戦っている。陽介が世界を経験して帰ってきたときに、自分たちももっとレベルアップできていたらなと」

 1点を争う緊迫したゲーム。「どちらが先に点を取るかが勝負を分けると思っていたので、先に失点しないことを意識していました」。そう久保が話すように、集中を切らさず、シュートを止め続けた。後半と延長前半に1度ずつ、相手に決定機が訪れるも、久保は鋭い反応でボールを弾き出した。

「どんなシュートが飛んできても大丈夫なように、しっかり準備できていました。この前の試合(3回戦・4-3神戸U-18)では、神戸に前半で2点を決められて、2-2に追いついた後も、すぐにまた失点をしてしまった。(神戸U-18戦で)自分はチームに勝利をもたらすプレーができなかったけれど、今日の試合ではチームの勝利に結びつけることができてよかったです」

 延長後半には大宮U18に決勝ゴールが生まれ、前回大会の準優勝チームである清水ユースに競り勝った。渡部大輔(現トップチーム)らを擁した2007年大会以来となるベスト4入り。ここからは過去最高成績の更新と、初優勝を懸けた戦いとなる。

「自分たちが目標としていた『ベスト4』をクリアして、次の目標としては決勝に進みたいです。優勝という大きな目標よりも、まずは1試合ずつ、チーム全員で目の前の試合を全力で戦っていこうと思っています」

 最後尾で久保が支えるオレンジ軍団は、『一戦必勝』で頂点へと突き進む。

取材◎小林康幸

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サッカーマガジン 2019年12月号


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