勝ち点43で並んでいた大宮を相手に、山形は栗山直樹のゴールで幸先よく先制点を奪った。しかし、その後ロビン・シモヴィッチに2ゴールを挙げられ、前半のうちに逆転される。54分には南秀仁が同点ゴールを奪ったものの、72分に茨田陽生が決勝ゴールを決められ、敵地で敗北を喫した。

上写真=山形の最終ラインで奮闘した野田(写真◎J.LEAGUE)

■2019年8月4日 J2リーグ第26節
大宮 3-2 山形
得点者:(大)ロビン・シモヴィッチ2、茨田陽生 (山)栗山直樹、南秀仁

同世代のライバルたちから刺激「僕も負けないように」

 3バックを採用する山形の右センターバックを務めた野田裕喜は、1-2で迎えた54分に右サイドの前方のスペースへロングパスを送り、同点ゴールの起点となった。

「あそこは狙っていましたね。うちの右サイド(柳貴博)が攻撃の場面では突破できていたので、足元へでも裏へでも、自分のパスを効果的に入れられれば、得点できるんじゃないかと思っていました」と、狙い通りに柳がゴール前へクロスを送り、走り込んだ南秀仁がゴールに蹴り込んだ。「常に裏(のスペース)は狙わないといけないし、自分のパスもタイミングがばっちりだった」と、攻撃面で一つ仕事を果たした。

 しかし、守備面では3失点。特に、相手のFKからロビン・シモヴィッチに決められた1失点目は、「先制点を取れて良い感じで(試合を)進められたはずなんですけれど、セットプレーでやられてしまった。最近はセットプレーからの失点が多いので、チームのみんなも集中を切らさずにやっていたのですが、(結果的に失点したことで)自分たちで試合を難しくしてしまったのかな」と反省する。

 野田は5月末にG大阪から『育成型期限付き移籍』で山形に加入した。「(山形に)来たときは2位だったし、チームの状態も良くて、結果につながっていた」と加入当初を振り返るも、直近7試合ではわずか1勝と思うように勝ち星をつかめていない。この日も大宮に敗れて6位まで順位を下げてしまい、「もどかしい思いはありますね。勝ちたかったというのが本音です。自分としては内容よりも、やはり結果が欲しかった」と、苦しい胸の内を明かす。

 それでも、「誰も下を向いていません。また勝てるように、次の試合に向けて全員で準備をするだけです」と、すぐに気持ちを切り替える。野田自身としては、同じJ2で戦う同世代の活躍も刺激になっているのかもしれない。この日も、京都では大津高校(熊本県)時代からともに戦ってきたFW一美和成が2ゴールを挙げる活躍を見せた。

「僕は京都戦(第22節・●0-1※得点者は一美)には出ていないのですが、出たら『削ってやろう』と思っていました(笑)。でも、カズ(一美)だけじゃなくて、(髙木)彰人(山形)も市丸(瑞希=岐阜)も、ガンバのみんなが頑張っているので、僕も負けないようにやりたいと思います」

 仲間であり、ライバルでもある選手たちの活躍に刺激を受けながら、野田も山形の地でJ1昇格の目標へとまい進する。

取材◎小林康幸

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