ホームの水戸が琉球を相手に先制する。22分、平野佑一のCKから志知孝明がヘディングシュートを放つ。そのボールをゴール前の黒川淳史が体で軌道を変え、ゴールへと押しこんだ。さらに、前半終了間際の43分にも、水戸がCKから追加点を挙げる。平野の蹴ったボールに、志知がヘディングで合わせてゴールへと突き刺した。後半、琉球のセットプレーから増谷幸祐に1点を返されるも、74分には途中出場で水戸デビューを飾った東京五輪世代の小川航基がチーム3点目を奪取し、勝負を決めた。

上写真=水戸移籍後初ゴールを決めた小川(写真◎J.LEAGUE)

■2019年7月21日 J2リーグ第23節
水戸 3-1 琉球
得点者:(水)黒川淳史、志知孝明、小川航基 (琉)増谷幸祐

東京五輪出場へ、新天地での再スタート

「持っている選手は1発目に何かあると思うので、期待してもらえれば」

 7月18日のトレーニング後、小川航基は週末に控えた琉球戦での活躍を宣言していた。そして、21日の水戸でのデビュー戦で移籍後初ゴール。前寛之からのパスを胸でトラップして右足を振り抜き、琉球を引き離す追加点をチームにもたらした。

「(相手)ディフェンダーの見えづらい位置に動こうと意識していて、ボディフェイクを入れて一瞬フリーになれた。トラップしてからシュートまで(の動作)がスムーズでした。あの形はジュビロでも自主練でやっていたので、自分の特長が出たかな」と、得点シーンを振り返る。

 7月14日に磐田から水戸への育成型期限付き移籍が発表された。それから1週間後のこの一戦でいきなりの先発出場とはならなかったものの、57分に黒川淳史との交代でピッチへと入った。「一番に考えているのは得点」と、一つの目標は果たした。

 ただ、「それと同じくらいにチームの戦術を理解したうえでやろうと。自分とタカくん(福満隆貴)が入って『ちょっとサッカーが変わっちゃったね』と言われないように、(ゲームの)流れを悪くしてしまうことがないように、前から(ボールを奪いに)行って、切り替えを早くしようとすごく意識しました」と、チームに合流して間もない新加入選手ゆえの心構えをしながら、ケーズデンキスタジアム水戸のピッチへと足を踏み入れていた。

「(水戸に)加わってからまだ認められていないところもたくさんあると思うので、もっとフィットできるように。今日も(味方と)合わなかったシーンはあったので、そういうところでも合わせていかなければいけない」と、課題も口にする。

 それでも、水戸での1試合目で初ゴールを奪ったことで、新天地での幸先良いスタートを切った。チームのJ1昇格、そして来年に待つ東京オリンピック出場に向けて、小川は水戸でのゴール量産を誓う。

「これからも得点を取るところをサポーターには見てもらいたいなと思います」

取材◎小林康幸

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