前節時点で4位につける鹿島は、ホームに最下位の鳥栖を迎えた。前半20分、レアンドロがペナルティーエリア内で倒されて獲得したPKを自ら決め、幸先よく先制する。そのわずか3分後に、古巣対決となる鳥栖の金崎夢生にゴールを許すも、35分には右サイドのレアンドロのクロスに白崎凌兵が合わせて勝ち越し。後半も両者ともにチャンスを作るが、両GKの好守もありゴールネットは揺れず。鹿島が1点差で逃げ切り、リーグ戦3連勝を飾った。

上写真=ボランチで今季リーグ戦2試合目の先発出場を果たした名古(写真◎J.LEAGUE)

■2019年7月20日 J1リーグ第20節
鹿島 2-1 鳥栖
得点者:(鹿)レアンドロ、白崎凌兵 (鳥)金崎夢生

「同じ相手に2度も負けられない」

 リーグ戦3試合連続先発出場中だったレオ・シルバに代わり、名古新太郎がスタメンに名を連ねた。生年月日が1日違いの同級生・三竿健斗とボランチでコンビを組み、「攻守において良いバランス」を意識しつつ、長短のパスを織り交ぜながら鹿島の攻撃を司った。

「いつでも試合に出られる準備をしています。(鹿島の)レギュラー争いがあるし、今日はチャンスをもらったという思いもありました。自分のこれからのターニングポイントになるだろうと」

 レギュラー奪取への思いとともに、勝利への意欲もよりいっそう強かった。鳥栖は第13節で、後半アディショナルタイムの失点によって0-1と敗れた相手だ。「悔しい負け方だった。最後の最後で決められて。チーム全員が間違いなく悔しい気持ちを持っていたし、『同じ相手に2度も負けられない』と、試合前に全員で話していた」と、ホームでのリベンジに燃えていた。

 実際に鹿島は序盤から鳥栖陣内に攻め込み、前半で2ゴールを奪って勝利を呼び込んだ。名古は「“戦う”ということの意思統一は、チーム全員でしっかりできていた」と振り返る。

 その中で激しい球際の攻防から両者ともにファウルが増え、審判のレフェリングなどをめぐって、プレーが止まる場面も目立った。それでも、名古は淡々とプレーを続けた。

「アウェーでもそうでしたけれど、攻守において、球際とか戦うところは相手もすごく激しく来る。それに負けてはいけない。激しい試合になるだろうと思っていたし、レフェリーの判定もあるけれど、自分は『より冷静に』と意識しています。でも、ああやって熱く戦うのは、負けたくない気持ちが上回るから。結果的に勝ちにつながったのは良かったかなと思います」

 この日は今季リーグ戦2試合目の先発出場。前回のC大阪戦(第15節・○2-0)に続き、2試合連続でチームに勝ち星をもたらした。それでも、またスタメンで出番が回ってくる保証はない。この試合で出た課題を改善し、次戦に向けてまたトレーニングを積みながら三たびチャンスを待つ。

「(鳥栖戦では)自分の特長を出せた部分もあったと思うけれど、まだミスもあるし、守備のところでもっと良くなっていかないとダメ。(三竿)健斗に守備の仕事を多くさせていたので、そこは自分の課題かなと思います。しっかり次のアウェーのレッズ戦(7月31日)に向けて、個人としてもチームとしてもしっかり準備していきたいと思います」

 背番号30は次もチームを勝利へと導くために、また試合への準備を進める。

取材◎小林康幸

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