スペインの名門レアル・マドリードへの移籍が決まった久保建英が、FC東京対横浜F・マリノスの試合後に開かれた壮行セレモニーで両サポーターに旅立ちの挨拶を行なった。

上写真=FC東京のサポーターに挨拶する久保建英(写真◎J.LEAGUE)

■2019年6月29日 J1リーグ第17節
FC東京 4-2 横浜FM
得点:(F)ナ・サンホ、永井謙佑、D・オリヴェイラ2 (横)M・ジュニオール、仲川輝人

東京での時間を自分は一生忘れない(久保)

 6月24日(現地時間)に日本代表の一員としてコパ・アメリカのエクアドル戦に出場した久保建英が29日、味の素スタジアムでサポーターに感謝の言葉を述べた。久保にとってFC東京は2015年にスペインから帰国後に下部組織に所属し、プロデビューを飾ることになったクラブだ。そして横浜FMは昨季にレンタル移籍してプレーし、J1初ゴールを刻んだクラブだった。

 試合後に開催された壮行セレモニーに登場した久保は「こんばんは、久保建英です」と挨拶してから、まずはマリノスのファン・サポーターが陣取るスタンドに向かって語りかけた。

「横浜F・マリノスのファン・サポーターのみなさま、さっき(ビジョで流された映像の中で)自分のJ1初ゴールが流されなくてブーイング出ていたと思うんですけど、あとで自分が(担当者に)言っておきます。半年間という短い間ではありましたが、自分が今こうやってここに立てているのは、正直に言いますけど、マリノスに半年間レンタルできたことが非常に大きいと思っています。感謝しかありません。ありがとうございます」

 そしてFC東京のファン・サポーターのいるスタンドに向き直して言葉を続けた。

「あらためまして、『元FC東京』の久保建英です。自分が日本に帰ってきてから今まで、ほぼ東京でやってきて、最初は練習も行きたくなくて、結構つらい時期もありました。けれど、むさし(U-15)に入ってみんなが仲良くしてくれて、飛び級でユースに上がり、ユースのみんなが仲良くしてくれて、さらに映像にもありましたけどトップチームに上がって、トップチームの選手に助けてもらって、今の自分があると思っています。
 何をしゃべるか決めてこなかったですけと、やっぱり映像などを見て思うことがたくさんありますし、こうやって雨の中、たくさんの人たちが自分のセレモニーを見に来てくれている。かどうかは分かんないですけど、足を運んでくれていることに、非常に感謝しています。
 良いこととばかりではなかったですけど、自分の力もあり、みんなの力も借りて、こうやって一人前のサッカー選手として東京を背負って世界に羽ばたいていけることを非常に誇らしく思います。
 雨の中、長々とすみません。これからはFC東京の久保建英ではなくなりますが、FC東京に在籍した選手として、東京の誇りを持って、つらいこともあるとは思いますが、そのたびに今の動画(ビジョンで流された久保の足跡)も多分もらえると思うので、見返して元気を出します。
 東京に来てから3年半、4年くらいだと思いますが、(海外に)行きたくなくなるくらい濃い時間だったと思います。苦渋の決断ではありましたが、自分の決断に誇りを持って。東京での時間を自分は一生忘れないので。本当にありがとうございました」

 新天地のレアル・マドリードでは、プレシーズンはトップチームに帯同し、新シーズンからカスティージャでプレーすると言われている。バルサで育ち、Jリーグを経て、再びスペインに戻って戦う久保。日進月歩で成長を続ける俊英は、ヨーロッパでどんな一歩を踏み出すのか。注目される。

写真◎J.LEAGUE


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