上写真=宮崎でのトレーニングに励む島津
写真◎サッカーマガジン

 宮崎県内でキャンプを行なっている金沢。2月6日のトレーニングでは、パスやシュートなどの技術力向上を図るメニューや、ゲーム形式の練習を行なった。2週間半後に迫ったJ2開幕に向けて、翌7日、9日にはトレーニングマッチも組まれている。

目指すは「攻撃型のボランチ」

 連日のように多くの人で賑わっている宮崎県の清武総合運動公園。しかし、6日はこの場所で春季キャンプを行なっているプロ野球球団の休養日ということもあり、場内の駐車場に車はほとんどない。ここ数日間では珍しい光景だが、公園の一角では、金沢の選手たちのボールを蹴る音が響いていた。

 前日からの雨は練習前に上がったが、芝生は水を含み、ボールが止まってしまう場所もあった。そういった中でも、パス、シュートといった技術を磨き、ゲーム形式のトレーニングでは激しくぶつかり合った。ピッチ中央でつねに声を出す柳下正明監督の視線の先には、選手たちのアピール合戦が繰り広げられていた。

 プロ2年目のMF島津頼盛も、スタメンの座を狙う一人。ルーキーイヤーの昨季はリーグ戦5試合に出場したものの、「点を取ることはできなかった」と悔しさが残った。それだけに、新シーズンの目標ははっきりとしている。「得点を取って、スタメンを勝ち取りたい。試合に出してもらえるならば、どのポジションでも全力でプレーしたい」

 周囲からも「ライセイ!」と、しきりに声が上がるほど、ピッチ上でも存在感を示している。本人は「いえいえ(笑)」と謙遜するが、「(プロ2年目で)慣れてきたのもあって、自信を持てるようになった。コンディションもキャンプでどんどん上がってきている。守備面も成長できていると思うし、1年目よりもサッカーを分かったうえで、(プレシーズンに)入れている」と、開幕に向けて手応えをつかんでいる。

 興國高時代はドリブラー。ウイングやトップ下といった攻撃的なポジションを主戦場としていた。「興國ではずっとドリブルに磨きをかけてきた」と、当時を懐かしむ。昨季はサイドハーフ、サイドバック、ボランチと、慣れないポジションにも挑戦した。この日のトレーニングでも、ボランチの位置に入りゲームメーク。これまでに培ったスキルを武器に、「攻撃型のボランチ」を確立しようとしている。

 興國高サッカー部の同期が3人、一学年下の後輩も3人、Jリーガーとなった。同じ学び舎で青春時代を過ごしたJクラブユースチーム所属の同級生も、プロへの道を切りひらいている。ライバルとなる同校卒業生は多いが、その中で昨シーズンにJ2からJ1へとステップアップした先輩のように、まずはJ2で活躍することを志す。

「興國の二番手として暴れたいと思っています。(古橋)亨梧くん(神戸)に続く存在として。(U-20日本)代表にも入りたい」

 大阪の名門校で育まれた才能が、金沢でプロ2年目の飛躍を目指す。

取材◎小林康幸


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