先制したのはアウェーの神戸だった。34分、ペナルティーエリアのやや外側でボールを受けたポドルスキがゴール前へ浮き球のパスを送り、三田啓貴がヘディングシュートを決めた。しかし後半、鹿島に攻勢を強められると、55分に鈴木優磨にゴールを許し、同点とされる。アディショナルタイムには大槻周平とウェリントンに得点チャンスが訪れるも決め切れず。引き分けに終わった。

■2018年4月25日 J1リーグ第10節
鹿島 1-1 神戸
得点者:(鹿)鈴木優磨
    (神)三田啓貴

内田とマッチアップ「とても厄介な選手」

7節浦和戦(●2-3)以来、リーグ戦3試合ぶりに郷家友太は先発のピッチに立った。しかし、表情はさえない。「こういうきつい試合で勝ち点1を取って、神戸へ帰れることはすごく良いこと」と話すも、試合内容については「鹿島の速いプレスに困ってしまった。僕だけでなく、チーム全体としてもそうだったと思う」と反省しきりだった。

左サイドハーフに入ったものの、61分に交代するまで見せ場はほとんど作れなかった。対峙した日本屈指の右サイドバックに、実力の差をまざまざと見せつけられた。「攻撃がうまい選手で、スピードもあった。一つひとつのプレーだったり、攻め上がり方というのは、『これが海外でプレーしていた選手なのかな』と感じた」と、鹿島の内田篤人のプレーに大きなインパクトを受けた。

なかでも目を見張ったのが、クロスまでの流れるような内田の動作だ。「(左からの)サイドチェンジのときに一回(視界から)消える動きだったり、それからトラップして、クロスを上げるまでの(一連の)動作がすごくスムーズで……。そこにすごみを感じた」と、ヨーロッパの第一線で活躍した名手のプレーに翻弄された。「(相手として)とても厄介な選手。正直、僕としてはあまり攻め上がってきてほしくなかった」と、本音をこぼす。

それでも、この試合で得た経験は、郷家をまた一段階上のステージへと成長させることだろう。「スタメンでは出続けたいけれど、こういうプレーをしていたらダメだと思う」と危機感を募らせ、「(内田に)クロスを上げさせてしまった場面などは改善していきたい」と、さらなるレベルアップを誓う。

そして、レギュラー定着に向けて、もうひとつの目標を口にする。
「もっと結果にこだわってやっていかないと。アシストでも、ゴールでも、とにかく数字を残せればいい。次は(リーグ戦で)勝利につながるゴールを決めたい」

次節は4月28日、昨季王者の川崎Fと対戦する。中2日で試合が続くなか、結果に飢える高卒1年目のルーキーは静かに闘志を燃やす。

 
文◎小林康幸 写真◎J.LEAGUE PHOTOS
 


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