■2018年3月31日 J1リーグ第5節
 鹿島 0-0 札幌

両者ともチャンスを決め切れず、スコアレスドローに終わった。前半から主導権を握ったのは札幌。キックオフ直後に都倉賢がバーに当てるシュートを放つと、その後も鹿島ゴールを脅かした。後半にも三好康児やチャナティップがゴールに狙うも、鹿島の守備陣に阻まれて最後まで1点を奪うことはできず。勝ち点1を分け合う結果となった。

「使われているうちに自分の特長を出していきたい」

札幌がピッチの横幅を広く使ったパス回しで、鹿島を相手に主導権を握った。右から左へ、左から右へ、サイドを替えながらボールを保持した。「(チームとして)かなりうまくいっていた」と振り返ったのは、左サイドで上下動を繰り返したMF菅大輝だ。「今日のサッカーを続けていきたい」と、チームとしての内容には満足した様子だった。

ただ、スコアレスドローという結果に触れると、顔をしかめた。
札幌にとって、ナビスコ(現ルヴァン)カップも含めて、これまで全敗中だった“鬼門”カシマスタジアムで、チャンスも多く作っての勝ち点1獲得。試合終了後には札幌サポーターから拍手も送られたが、「(ゴールを)決め切らなければいけなかった。そういう意味では、勝ち点3が欲しかったですね」と、悔しさをにじませた。

チームの出来には納得しつつも、ゴールを奪えなかった要因として、「クロスまでいくところが僕の仕事だと思っているけれど、あまりできてない。今日も積極的に行ったつもりだったけれど、相手に読まれてしまっていた。(チャンスにつなげるための)アイディアをもっと身につけていかなければならないと感じた」と、自身のプレーを反省する。

特に、この日は万全のコンディションで試合に臨めたわけではなかった。U-21日本代表に選出され、パラグアイ遠征に参加していた菅が帰国したのは、試合2日前の夜。札幌に戻る間もなく、関東でチームに合流し、この試合に臨んだ。
「自分のなかでは、(守備で)戻るところだったり、スプリントだったりはやれていたと思っている」と、フィジカル面のタフさは試合中も見せるも、「移動の疲れがあったり、時差ボケで寝られなかったりした。(鹿島戦の)最初は『キツい』と感じた」と、疲労があったことは否めなかった。

それでも、「スタメンで使ってもらえた以上は、やるべきことはやらなければいけない」と、気持ちのこもったプレーを見せた。日本とは、地球のほぼ反対側に位置する国から帰ってきても、「自分に余裕はない」と、休んではいられなかった。
J1では開幕戦からスタメン出場を続けているが、「自分の中では、まだまだ。課題ばかり残る試合内容」と、手ごたえをつかめていない。それだけに、「使われているうちに、自分の持ち味や特長をどんどん出していきたい」と、さらなるプレーの向上を目指している。

そして、左サイドのレギュラーの座をより確実なものとするために、貪欲に結果を求めている。「もっと積極的にプレーして、アシストやゴールという結果も残せれば、ミシャさん(ペトロヴィッチ監督)の信頼をより得ることができると思う」と、語気を強める。

「相手に走力で上回ることだったり、課題の一つであるクロスの質をしっかり改善していけば、勝利は近づいてくると思う。1試合1試合、勝ちにこだわってやっていきたい」

この日、鹿島から奪えなかった勝利を、次こそは自らが結果を残すことで手に入れるために――。19歳の若きサイドアタッカーは、さらなる成長を誓う。

 
取材◎小林康幸 写真◎J.LEAGUE PHOTOS
 


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