■2018年3月18日 J1リーグ第4節
 広島 0-0 磐田

明治安田生命J1リーグ第4節が3月18日に行なわれ、広島はホームで磐田と0-0の引き分け。ルヴァンカップと合わせて公式戦5連勝と開幕から絶好調だった広島は、初めて勝利を逃す結果となった。

3季所属したクラブとの対戦

この一戦で注目を集めたのは、広島の川辺駿だ。昨季まで3年間、期限付き移籍した磐田で主力としてプレーして大きく成長を遂げ、磐田からは「(完全移籍のための)お金は準備している」と残留を要請されながらも、広島への復帰を決断。初めての古巣との対戦、自身を飛躍に導いてくれた名波浩監督の前でのプレーぶりは、広島の勝敗を左右するポイントの一つになると考えられていた。

広島が押し気味に進めた前半、川辺はドリブル突破から惜しいシュートを放つなど、攻撃を牽引する働きを見せた。しかし後半は選手交代を機に立て直した磐田に押し込まれる中で、川辺も思うようにチャンスに絡めず。結局、80分に交代で退くこととなった。

名波監督は試合中、水を飲むためにタッチライン際まで来た川辺に、足元のボトルを差し出す場面があったが、試合後の会見で川辺のプレーについて聞かれると、こんなやり取りがあったことを明かしている。

「試合を見直してみないと分からないですが、試合が終わってすぐに話したのは、『お前、全然ボールに触れていないな』と。それは彼もよく分かっていると思います」

ただし続けて語ったのは、相手チームの選手に対するものとは思えないほどの、今後への大きな期待だった。

「彼は試合の中で、もっともっと輝けるはず。より一層の努力、より一層の輝きを求めていいんじゃないかと思う。日本を代表する選手になってほしいという気持ちは、サンフレッチェのスタッフも、我々ジュビロのスタッフも変わらない。順調に伸びてほしいと思っています」

一方の川辺は、名波監督から掛けられた言葉について聞かれると、こう話した。

「(「ボールに触っていない」と言われたそうだが)そうですね。前半も、そんなに多くはないですが、ボールに触った感じではチャンスを作れていた。後半、ああやって(広島の攻めが)ロングボールが多くなると、自分には向いていない(攻撃になる)。後半のように押し込まれた状態でも、前半のようなサッカーをできるように。ただ、まだ開幕したばかりなので、徐々に良くなってくると思います」

試合後は磐田のファン・サポーターが陣取るスタンドにあいさつに出向いた。広島に復帰こそしたものの、磐田への思いは強いという。

「3年間、いましたから…。もちろん広島と同じくらい、大好きなクラブ。そういう人たちの前で、自分が活躍する姿を見せたかった」

自身の成長を見せつける機会は、次回に持ち越しとなった。アウェーでの磐田戦は、11月3日もしくは4日の第31節。ヤマハスタジアムに乗り込む川辺がそのとき、どんな成長を遂げているだろうか。

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE PHOTOS


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