画像: 名波浩監督(ジュビロ磐田)
「チーム状態は右肩上がり」

サッカーマガジン8月号掲載の連載『フットボール新論』でジュビロ磐田の名波浩監督がチームの現状を明かしている。

 5月のJ1リーグは2分け2敗。1勝もできずに苦しんだ。しかし、ジュビロ磐田を率いる名波浩監督は、チームの戦いぶりに確かな手応えを感じていた。

「ボールも握る時間も増えたように思う。ポゼッションは自分たちの拠りどころではないけれど、浦和や川崎F、柏といったチームのようにパス数などの数字自体は上げていきたいという思惑もある」
「選手の動き自体もよくなっている。例えば川辺(駿)もその一人。これまで以上にボールに絡んでいるし、積極的に前に出て行く機会も増えた。個人的な見解だけれど、現代のボランチは前へ出て行かなければダメだと思っている。もちろん、後ろで(ボールを)さばく人間も必要だけれど、同じように前へ出て行く人間もいないと」

 苦しんだ5月を経て迎えた6月4日のガンバ大阪とのホームゲーム。3-0で快勝すると、続く浦和戦はアウェーながら4-2と完勝。さらにFC東京をホームに迎えた試合も2-0で勝利を収め、J1では5年ぶりとなる3連勝を飾った。

 6月に入り、それまでに感じていた手応えがしっかり形となり、結果に結びつくようになった。5月中の試合内容とチーム状態について「右肩上がり」と説明した指揮官の言葉に偽りはなかった。

「これから夏場に入っていくという意味では、試合の進め方、ゲームコントロールが重要になってくる。改めて強調すれば、いかにボールを動かしながら休むか、ということ。Jリーグのチームに多いのはスタンドの声援にあおられて『イケイケ』になること。乗せられて攻めに出て行ってしまう。結果的に前と後ろが間延びして、体力も消耗し、ガス欠に陥って、最終的にやられるなんてケースもある。ほとんど自滅に近い。夏場は人一倍、賢く戦わなければならない。その意味で大人のジャッジが必要。今シーズンは(中村)俊輔の存在が効いてくると思う」

 チーム作りを『点ではなく線としてとらえる』指導者は多いが、それを実行できる人物は限られる。名波監督は間違いなく、実行できる指導者の一人。明確なビジョンを描き、着実に線を太く、強くしている――。

 月に一度、触れることができる現役J監督・名波浩の『志向と思考』。8月号の連載を、ぜひご覧ください。

画像: サッカーマガジン8月号(発売中)

サッカーマガジン8月号(発売中)


This article is a sponsored article by
''.