日本クラブユース選手権関東大会決勝は、三菱養和SCユースと横浜FMユースの顔合わせとなった。ともにプリンスリーグ関東で戦っているチーム同士の一戦は、一人のアタッカーが勝負を決めた。

上写真=2点目となるFKを決め、喜ぶ横浜FMユースの井出(写真◎サッカーマガジン)

■2019年6月9日 日本クラブユース選手権(U-18)関東大会決勝
三菱養和SCユース 0-2 横浜FMユース
得点者:(横)井出真太郎2

「全国でも優勝しなければ意味がない」

 横浜FMユースは序盤、三菱養和SCユースに決定機を作られる。ロングボールをFW栗原イブラヒムジュニアに落とされ、MF飯田泰成にシュートを放たれるが、GK寺門陸が好守を見せ、得点を許さない。

 その後、徐々に試合のペースを握っていくと、40分に先制ゴールを奪う。FWブラウンノア賢信のパスから左サイドを突破したMF井出真太郎が角度のないところからシュート。「(パスをするよりも)自分でシュートしたほうが入るかなと思って打った」というボールは相手GKの股下を抜け、ゴールネットを揺らした。

 さらに、後半も横浜FMユースは攻勢をゆるめない。67分には井出のドリブルが相手のファウルを誘い、FKを獲得。このチャンスで井出自らが右足を振り抜き、再びゴールを決めた。本人は「運よく入りました」と謙遜するが、三菱養和SCユースの栗原は「自分たちには防ぎようがなかった」と、その見事なシュートを称えた。

 そして、試合は0-2でタイムアップ。横浜FMユースが三菱養和SCユースを破り、関東の頂点に立った。「チームが優勝できたので、それが一番良かった。かなり大きな自信になった」と殊勲の2ゴールを挙げた井出は喜ぶ。

 また、7月の日本クラブユース選手権に向けても、井出は「全国でも優勝しなければ意味がないので、気を引き締めてやっていきたい。個人としては得点を取ったり、アシストできればいいかなと思います」と抱負を語った。

 なお、決勝を戦った両チームをはじめ、関東から11チームが出場する日本クラブユース選手権は、7月に群馬県と東京都で開催される。

取材◎小林康幸