日韓戦だからこそのレクチャーを(森山監督)
今大会もホテルの食卓が隣だったという縁もあり、両国の選手・スタッフは仲良くコミュニケーションを取りつつ、韓国側から「大使館から大量に送られてきて食べきれないので」とマンゴーの差し入れをもらうなど、穏やかな関係性を築いてきた。
決勝前の公式会見でも森山監督から「先日までU-15日本代表が韓国に遠征して2試合やって1勝1敗だった」といった話が出たが、その遠征も韓国側からの提案により、韓国代表の施設を使うことで日本は国内遠征並みの予算で実施できたという。
感情的に激しくぶつかり合っていた、かつての日韓代表であれば、考えられなかった話かもしれない。政治的な側面から関係性の悪化を両国はたびたび指摘されてきたが、その影響を受けることが全くないとは言わないものの、サッカーの世界に限れば友好な関係性を維持している。
とはいえ、である。今回の一戦が穏やかな試合になると決め付けるのは禁物だろう。ピッチに入れば、話は別だ。「若い世代で日韓戦への特別な感情が薄いとは言っても、上の世代はまた違う」と指揮官も話しており、ファイナルという舞台の力もあって、相手が特別な気持ちを持って戦ってくることは十分に考えられる。
「選手が『こんなに戦ってくるとは思わなかった』なんて言い出すことがないように、日韓戦だからこそのレクチャーはしておきたい」と森山監督も気を引き締めていた。
いずれにしても、はっきりしているのは、このシチュエーションの中で行われる日韓戦が、若い選手たちにとって重要な経験となることだ。
「ワールドカップにつながる試合にして優勝したい。タフな試合になるだろうけど、それが彼らの財産にもなる」
指揮官が「アジアの頂上決戦」と位置付ける決勝は日本時間7月2日・21時、タイのパトゥムターニー・スタジアムでキックオフされる。
取材・文◎川端暁彦
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『AFC U17アジアカップ 決勝』
韓国 vs 日本
・日時:7月2日(日)21時キックオフ
・解説:水沼貴史/実況:福田浩大