イングランドのリーグカップ決勝(カラバオカップ)が25日、ウェンブリースタジアムで行われた。決勝の舞台に上がったのは遠藤航が所属するリバプールとチェルシー。互いに譲らず試合は延長戦に突入。延長後半118分にファン・ダイクがゴールを決めて、リバプールが2シーズンぶり10度目の優勝を飾った。

上写真=遠藤航はフル出場で優勝に貢献。自身、海外初タイトルとなった(写真◎Getty Images)

史上最多10回目の優勝を達成

 2023ー2024シーズンのリーグカップ決勝は戦前の予想通り、頂点を争うにふさわしい内容の試合となった。高い強度で攻守の切り替えが早く、一瞬たりとも目が離せない展開で試合が進んだ。

 遠藤はアンカーで先発。日本代表でアジアカップ参加後、クラブに復帰して以来、4試合連続でスタメンに名を連ねた。

 前半にはチェルシーのスターリング、後半にはリバプールのファン・ダイクがネットを揺らすもいずれもVARで取り消しに。ファン・ダイクが決めたゴールは遠藤がオフサイドの位置でプレーに関与したと判定され、ゴールは認められなかった。

 リバプール、チェルシーとも互いにチャンスをつかみながらもリバプールはケレハー、チェルシーはペトロヴィッチと両GKの好守もあり、90分でも決着がつかず、試合は延長戦に突入した。

 それでも両チームは選手を代えながら強度とテンポを維持。目まぐるしく攻守が入れ替わる展開が続いた。

 そして延長後半、ついにネットが揺れる。チェルシー陣内で得た右CKの場面だった。ツィミカスが蹴ったインスイングのボールにドンピシャのタイミングで飛び込んだファン・ダイクがヘディングシュートを決め、リバプールが均衡を破る。VARで取り消されることのない、正真正銘のキャプテンのゴール。スタンドに詰めかけたリバプールサポーターから大歓声が上がった。

 アディショナルタイムの3分も集中力を切らさなかったリバプールが、そのまま試合をクローズ。2シーズンぶり史上最多10回目の優勝を達成した。遠藤もタフな120分間を戦い抜き、優勝に大きく貢献。遠藤にとってはこれが海外のクラブ移籍後、初のタイトル獲得となった。

 リバプールはケガ人が多く、チーム状況は決してベストではなかったが、シーズン終了後に退任を発表しているクロップ監督の選手起用も光り、プレミアリーグ制覇やFAカップにもつながる価値あるリーグカップ制覇となったと言える。

リーグカップに優勝し、カップをかかげるリバプールの選手たち(写真◎Getty Images)