ラ・リーガ(スペイン)の第6節が現地23日に行われた。久保建英が所属するレアル・ソシエダはホームでヘタフェと対戦。久保は右サイドで先発し、先制ゴールをスコアするなど攻撃をけん引。フル出場で打ち合いとなった激しい試合の勝利に貢献した(4−3)。

上写真=先制点を記録するとなどチームの今季2勝目に貢献したソシエダの久保建英(写真◎Getty Images)

右サイドで圧倒的な存在感

 先制したのはソシエダだ。右サイドで先発した久保がまた魅せた。開始2分、アマリ・トラオレと連動しつつボールを奪うと、ブライス・メンデスにパスを出して自らは前方へフリーランニングを開始。ボックス右で再びボールを引き取ると、左足を振って逆サイドのネットを揺らした。

 電光石火の一撃は久保の好調さを物語っていた。ラ・リーガでは今季6試合で4ゴール。鋭いカットイン、相手を置き去りにするドリブル、敵の虚を衝くパスとタイミング抜群のクロス、そして正確なシュートと、多彩なプレーでソシエダの攻撃をけん引する久保は、この試合でも大きな存在感を示した。

 しかし、チームはヘタフェのハードな守備と直線的なプレーに苦しみ、前半のうちに逆転されてしまう。39分に右サイドからディエゴ・リコにクロスを許し、最後はカルレス・アレニャにヘッドを決められた。さらに前半のアディショナルタイムにはCBのロビン・ル・ノルマンがボックス内でボルハ・マジョラルを倒してPKを献上。これをマジョラルに決められて勝ち越された。

 先制しても終盤に追いつかれる試合が多い今季のソシエダだが、この日は前半のうちに試合を振り出しに戻された。だが、同じ轍を踏んでばかりはいられないと、後半はギアを入れ直し、積極性を出していく。すると60分、ミケル・メリーノのパスを受けたブライス・メンデスが仕掛けてボックス内で倒されてPKを獲得。これをミケル・オヤルサバルが冷静に沈めて同点に追いついた。

 そして66分だった。敵陣左サイドでスローインを得たソシエダはロングスローを選択。相手GKダビド・ソリアが前に出てパンチングしたものの、ボールを大きく飛ばすことができず、ボックス内でバウンドしてしまう。それをブライス・メンデスが見逃さなかった。頭でプッシュし、ガラ空きへとボールを送り込む。ソシエダが勝ち越しに成功した。

 激しく点を取り合う展開となった試合のスコアの動きは、ここで収まらず、まだまだ動くことになった。88分、ソシエダが追加点を奪う。ブライス・メンデスの浮き球パスを裏に抜け出したメリーノが収め、GKの注意を引きつけてオヤルサバルにパス。ナンバー10が無人のゴールに蹴り込んで、自身2点目のゴールを決めた。

 さすがにここで試合終了と思われたが、さらにスコアは動く。ヘタフェが粘りを見せた。90+2分にクロスからファンミ・ラタサが走り込みながらのヘッドで1点差に詰め寄った。終盤に失点を繰り返してきたソシエダにとっては嫌な記憶が蘇るような展開となった。だが、この日はそのまま逃げ切ることに成功。久保も最後までピッチに立ち、チームの今季2勝目に貢献した。