上写真=左サイドバックで先発した冨安健洋だったが67分に悔しい退場処分を受けた(写真◎Getty Images)
チームは粘り強く守って勝ち切る
冨安にとっては忙しい試合になった。右からの攻撃に特徴を持つクリスタルパレスに対し、左サイドバックで今季初先発した冨安は前半から守備で対応する機会が増える。それでも前半は大きな破綻なくプレー。高い集中力で相手の攻撃に対応していく。
後半の53分、アーセナルはFKの場面で、相手の虚を突き、ウーデゴールが裏に出したボールにエンケティアが反応。慌てて前に出た相手GKジョンストンに倒され、PKを獲得した。これをキャプテンマークを巻くウーデゴールが冷静に決めてアーセナルが先制に成功した。
リードを奪ったアーセナルだが、60分、やや厳しい判定によって冨安がイエローカードを受けた。敵陣左サイドのスローインの場面で、冨安がスロワーを務めたが、ボールを受ける味方が見当たらず、やや時間がかかる。すると遅延行為とみなした主審にイエローカードを提示された。
その7分後、今度は相手との競り合いの中で2枚目のイエローカードを受けることになった。クリスタルパレスのCBアンデルセンが前方に送ったボールに対し、冨安は相手FWのエドゥアールの前で処理しようと体を入れたが、入れ替わられて背後を取られた。思わず手を出して倒し、抜け出しを阻止した。
主審は即刻、イエローカードを提示。プレーした場所は敵陣に入ったところであり、強く引き倒したわけではなかったものの、判定が覆ることはなく冨安は退場となってしまった。開幕節が途中出場だった冨安にとって先発したこの試合は絶好のアピール機会でもあった。直前にはボールを持ち運んでマルティネッリに絶妙なスルーパスを送るなど、攻撃面でも印象的なプレーを見せていただけに悔しい結果となった。
10人になったアーセナルはその後、5−4のブロックを組んでクリスタルパレスの攻撃に対抗。押し込まれる時間帯は当然、長くなったが、それでも集中力を切らさず守り切り1−0の勝利をつかんだ。