ブンデスリーガ1部16位のシュツットガルトと2部3位のハンブルクによる入れ替え戦の第2レグが現地5日に行われた。ホームの第1レグを3−0で終えたシュツットガルトだったが、ハンブルクの猛烈なプレスに苦しみ、先制を許す。しかし徐々に盛り返し、3−1の逆転に成功。2試合合計6ー1とし、1部残留を決めた。なお、シュツットガルトの遠藤航と伊藤洋輝は先発フル出場を果たし、原口元気はベンチ入りしたものの、出場機会はなかった。

上写真=ボランチで先発し、攻守にアグレッシブなプレーを見せた遠藤航と2得点をあげたミロ(写真◎Getty images)

遠藤が同点ゴールの起点に

 第1レグとは逆の展開になった。後のないハンブルクが試合のスタートから圧力をかけて先手を取る。開始6分にゾニー・キッテルが強烈なミドルシュートを決めて先制。選手、ティム・バルター監督がスタンドを煽ると、フォルクスパルクシュタディオンに詰めかけた観衆が大歓声で応える。3点差を帳消しにすべく、ホームチームは一丸となっていた。

 ただ15分を過ぎると試合がやや落ち着き始める。左CBで先発した伊藤がハーフウェーラインのセール・ギラシにフィードを送り、そこから展開して最後はボックス左に進入したボランチの遠藤のクロスをギラシが反転しながらバックヒールでゴールに流し込む。それまで相手の圧力に押されていたシュツットガルトが1点を返したかに思われた。

 だがこの得点はVARによって伊藤からのフィードを受けた時点でギラシがオフサイドだったと判定され、ノーゴールに。ただ、ゴールまでの展開は素晴らしく、シュツットガルトが相手にある勢いを弱めるプレーにはなった。

 その後もハンブルクがボールを握るものの、シュツットガルトも集中した守備を見せ、フリーでシュートさせる場面を作らない。遠藤は相変わらずのボール回収力を発揮し、伊藤は前に出る守備でピンチの芽をつぶしていった。

 前半はハンブルクの1点リードで終了。シュツットガルトの1部残留か、ハンブルクの1部復帰かの勝負は、残り45分あまりで決まることになった。

 次の1点が試合のすう勢を決めるようなゲーム展開の中、その大きな1点が後半開始早々に決まる。46分、中盤でボールが落ち着かず、空中にあるボールをクリアし合う場面を経て、センターサークル内でパスを受けた遠藤がギラシにスルーパスを通す。すると、ボックス左から中央へ折り返し、エンツォ・ミロが左足で冷静に蹴り込んで同点ゴールをスコア。2試合合計で4−1とし、シュツットガルトが大きなリードを得ることとなった。

 さらに64分、決定的な1点が決まる。ハンブルクの右サイドバック、モリッツ・ヘイヤーのバックパスをダイレクトで処理しようとしたGKダニエル・ホイヤー・フェルナンデスが蹴り損ね、ボールがこぼれる。そこへシュツットガルの同点ゴールを挙げたミロが詰めてシュート。アウェーチームが逆転に成功した。

 シュツットガルトは2試合合計で5−1とし、さらに大きくリード。残り時間でハンブルクが逆転するのはかなり難しくなった。スタンドの歓声もシュツットガルト・サポーターの声が大きくなる。

 シュツットガルトはリスクを管理しつつ時計の針を進め、ハンブルクはホームで負けるわけにはいかないと攻めに出た。ただ、次のゴールはまたもリードしているチームが手にする。アディショナルタイムにカトンパ・ムブンパがダメ押しの3点目をスコア。シュツットガルトが第1レグで得たリードをさらに広げる形で勝利をつかんだ(2試合合計6-1)。遠藤も伊藤も攻守両面で躍動し、1部残留というミッションの完遂に大きく貢献した。

 昨年もシーズンの最後まで残留争いを続け、今季は入れ替え戦を戦うことになった。それは決して望んだ形ではないあろうが、最後までタフな試合を戦い抜き、シュツットガルトは来季もブンデスリーガ1部で戦うことになった。