ベルギーリーグのプレーオフ1の第3戦が現地8日に行われ、三笘薫と町田浩樹が所属するロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズはホームで、クラブ・ブルージュと対戦した。ユニオンSGはボール奪取から速攻を仕掛け、何度も相手ゴールに迫ったが、ネット揺らせずPKも失敗。後半に2失点し、ライバルに敗れることになった。

上写真=アディショナルタイム、ファウル覚悟で相手のドリブルを止めにかかった三笘薫(写真◎Getty Images)

最後までゴールへの執念を見せたが…

 勝てば優勝に大きく近づく2位クラブ・ブルージュとの試合で、ユニオンSGの町田は3バックの左CBとしてプレーオフで3戦連続の先発出場。一方の三笘はまずはベンチで戦況を見つめることになった。

 序盤からホームのユニオンSGはスムーズな切り替えから敵陣に攻め入るプレーを展開した。デニズ・ウンダフをけん引車となり、クラブ・ブルージュ守備陣にプレッシャーをかけていく。

 だが、決定的な形を作れないまま、後半に折り返す。すると、54分にダンテ・バンゼイルが裏に出した浮き球パスをラザレ・アマニが収め、ボックス右横から進入。慌てた相手のCBブランドン・メヘレのファウルを誘い、PKを獲得した。

 このチャンスにキッカーを務めたのは、一連のプレーのきっかけを作ったバンゼイル。だが、右足でゴール左下を狙ったキックは、枠を外れ、先制の機会を逸してしまう。

 スコアを動かない状態が続く中、69分に三笘がアマニに代わって登場。左サイドから積極的に仕掛けるが、相手も三笘の危険性を知っているだけに、厳しいマークで突破を阻んだ。

 ネットが揺れたのは、三笘登場から5分後のこと。ただゴールがユニオンSGではなく、クラブ・ブルージュが手にした。左サイド深く進入を許すと、フリーでスコフ・オルセンにクロスを上げられ、最後はこれまたフリーで、ハンス・ヴァナーケンにヘディングを決められた。

 相手の最初の枠内シュートが失点につながり、1点を追う形になったユニオンSG、その後、総攻撃を仕掛けた。だが、中央を分厚く守るクラブ・ブルージュ守備陣を崩せず。アディショナルタイムには、右クロスに飛び込んだ三笘が相手との競り合いで顔面を強打。鼻血を出す負傷をおったが、すぐさま手当してピッチに戻り、ゴールへの意欲を示した。

 終了間際に得た右CKの場面ではGKアントニー・モリスも上がり、ゴールを目指したが、決め切ることはできず、逆にカウンターを浴びることに。三笘が全速力で戻り、ファウル覚悟でオルセンにタックルしたが、一歩及ばず、最後はアントニオ・ヌサに無人のゴールに流し込まれ、0-2で敗れることになった。

 プレーオフはレギュラーシーズンの獲得勝ち点を2で割った数字に(切り上げ)、勝ち点を加えていく。レギュラーシーズン終了時点で首位のユニオンSGは、獲得勝ち点39に、プレーオフ1の3試合を終えて得た4点(1勝1分け1敗)を加えて勝ち点43。これに対して2位のクラブ・ブルージュも、勝ち点36にプレーオフ1で得た7点(2勝1分け)を足して43点になった。つまりは勝ち点で並んだことになる。

 次戦は敵地でクラブ・ブルージュと『再戦』。ユニオンSGにとって優勝するために落とせない試合になる。

◆プレーオフ1の暫定順位表
1位:クラブ・ブルージュ(43点/2勝1分け/得失点+3)
2位:ユニオンSG(43点/1勝1分け1敗/得失点0)
◎3位:アンデルレヒト(33点/1分け1敗/得失点-2)
◎4位:アントワープ(33点/1分け1敗/得失点-1)

※◎は執筆時点で2試合消化