2021-2022のUEFAヨーロッパリーグ(EL)の準決勝第2レグが5日に行われ、フランクフルト(ドイツ)がホームでウェストハム(イングランド)と対戦した。第1レグのリードをもって試合に臨んだフランクフルトは前半のうちに相手に退場者が出て優位に試合を進め、1-0で勝利。クラブ史上初めてヨーロッパリーグのファイナル進出を決めた。なお、鎌田大地はシャドーで先発フル出場、長谷部誠はベンチ入りも出場機会はなかった。

上写真=第2レグで決勝をスコアしたフランクフルトのボレ(写真◎Getty Images)

決勝はフランクフルト対レンジャーズ

 敵地で迎えた第1レグを2-1で制したフランクフルトは引き分け以上で決勝進出が決まる状況だった。優位な立場で迎えたホームの第2レグ。開始9分に3バックの中央、CBのマルティン・ヒンターエッガーが負傷交代し、守備面の不安もよぎったが、19分に試合の流れを左右するプレーが生まれた。

 自陣左サイドから鎌田大地が前線にフィードを送ると、シャドーのイェンス・ペッター・ハウゲが抜け出そうしたところで、ウェストハムの左サイドバック、アーロン・クレスウェルにつかまれ激しく転倒。主審はイエローカードを提示したが、抜け出せばGKと1対1になる決定的な場面であり、VARを経てレッドカードに判定が変更された。クレスウェルが退場となり、フランクフルトは以降、一人多い状態で戦うことになった。

 すると26分、待望の先制点を手にする。右サイドを攻略し、右ウイングバックのアンスガ―・クナウフがグラウンダーのクロスを供給。これをサントス・ボレが右足で決めて、フランクフルトが2試合合計スコアを3-1とし、さらにリードを広げた。

 後半、攻めるしかないウェストハムが前に出るが、やはり一人少ないことが大きく響く。4-4-1で構え、ボールを奪うや速攻を仕掛けて攻めの糸口を探ったものの、最終局面ではいい形でシュートを打つことができない場面が続いた。

 なかなか攻めの形を作れず、そのイラ立ちからか、ボールボーイのボールを蹴り上げたデビッド・モイーズ監督が退席処分を受けるなど、ウェストハムはピッチの選手もベンチも焦りを募らせていった。その中でフランクフルトは集中力を切らさず、しっかり守りながら時計の針を進めていった。

 試合はそのまま1-0で終了(2試合合計3-1)。フランクフルトはクラブ史上初めてヨーロッパリーグ決勝に進出を決めた。

 もう一方の準決勝は第1レグを0-1で落としていたレンジャーズがホームの第2レグでライプツィヒを3-1で下し、逆転でファイナルに進出。したがって5月18日に行われる決勝のカードは、フランクフルト対レンジャーズに決まった。どちらが勝ってもヨーロッパリーグ初優勝となる。