スコティッシュ・プレミアシップの第32節が現地3日に行われ、首位セルティックは敵地で2位レンジャーズとの『オールドファーム』を戦った。先制されたものの、前半のうちに逆転に成功。日本代表帰りの旗手怜央、前田大然が先発したアウェーチームが勝ち点3をつかみ取り、優勝へ大きく前進した。

上写真=ロギッチの同点ゴールを喜ぶ旗手怜央(写真◎Getty Images)

敵地でライバルを下し、勝ち点差を6に広げる

 リーグ3連勝中で、25戦無敗のセルティックは代表帰りの旗手怜央が左インサイドハーフで先発を果たし、前田大然も左ウイングで先発に名を連ねた。勝てば、2位レンジャーズとの勝ち点差を3点から6点へと広げることになる。練習に戻ってきた古橋亨梧の復帰戦とはならなかったが、敵地でのオールドファーム(ダービー)で勝利を飾り、優勝に前進することを目指した。

 開始3分、最初にネットを揺らしたのはレンジャーズだった。左サイドでセルティックの右サイドバック、ヨシプ・ユラノビッチの背後を取ったライアン・ケントのクロスをアーロン・ラムジーが決め、早々にホームチームが先制した。

しかしセルティックもすぐに反撃を開始する。4分後のこと。カラム・マクレガーがドリブルで右サイドを攻略し、ボックス内に進入すると、最後はトム・ロギッチがシュート。DFに当たって跳ね返ったボールをボックス正面で拾った旗手がさらに狙うと、GKにストップされたものの、こぼれ球をロギッチが蹴り込み、同点に追いついた。その場所にしっかりポジションを取っていた旗手のきゅう覚が光るゴールシーンでもあった。

 ゲームが振り出しに戻ったあとしばらくはレンジャーズがボールを握る展開となったが、セルティックも守備から攻撃の素早い切り替えでゴールに迫っていった。40分には前田がGKと1対1のシーンを迎え、シュートは決め切れなかったものの、そのスピードで惜しい場面を創出。押し込まれる中でも、たびたび相手に脅威を与え、守備面でも鋭いアプローチでDF陣を助けた。

 そして43分、ついに次の1点が生まれる。手にしたのは、攻勢に出ていたホームチームではなく、アウェーチームの方だった。左サイドで得たFKの場面でボックス内に構えていたカーター・ヴィッカーズがネットを揺らし、前半終了間際にセルティックが逆転に成功した。

 後半は1点を追うレンジャーズが猛攻を仕掛け、とくに60分以降はセルティックが自陣に押し込まれる状態になった。旗手は疲労を考慮して62分に交代。その後もセルティックがボールを跳ね返し、それを拾ったレンジャーズが2次攻撃を仕掛ける状況が続いたが、最後の最後まで首位チームの集中力は切れなかった。タフで消耗度の高い試合を戦い抜き、リードを守って勝ち点3を持ち帰ることに成功したのだ。

 2月2日のオールドファームで3-0と快勝し、セルティックは首位に立った。レンジャーズにすれば今回の対戦は雪辱戦。しかし敵地に乗り込んだ首位チームは、苦しい戦いを強いられながらも要所を締めて勝利を手にした。これでリーグ戦は4連勝で、26戦負けなし。9戦負けなしだったライバルを下し、優勝に大きく近づいた。

◆スコットランド・プレミアシップのレギュレーション:12チームが3回戦総当りで33試合を戦い、その後に上位6チームと下位6チームに分かれて総当りで5試合を戦う。最終順位は38試合の総勝ち点で決定される。