プレミアリーグ(イングランド)が第12節は現地20日に行なわれ、南野拓実が所属するリバプールと冨安健洋のアーセナルが対戦した。冨安は右サイドバックで9試合連続の先発を果たしたものの、リバプールの攻撃力が爆発。次々とネットを揺らし、76分に登場した南野もチームの4点目をスコア。4-0でホームのリバプールが圧勝した。

上写真=ファーストタッチでネットを揺らした南野拓実!(写真◎Getty Images)

冨安の目の前でゴール

 日本代表として16日にオマーン戦に先発出場した冨安は所属するアーセナルに戻り、中3日でリバプール戦に臨んだ。この日も右サイドバックとしてリーグ戦9試合連続で先発を果たすと、代表疲れを感じさせないアグレッシブなプレーを披露。対面するサディオ・マネと激しいバトルを繰り広げた。

 ただ、ボールを握られ続ける展開の中、次第に能動的な守りができない状況になっていく。急にスピードアップするリバプールの攻めに後手を踏む場面もしばしば。サイドから急加速でカットインするマネの動きを監視するのは至難の業で、何度も難しいプレー選択を迫られた。

 先制したのは優勢だったリバプールだ。39分のFKの場面でアレクサンダー=アーノルドが蹴ったボールにマネが飛び込み、ヘッドでネットを揺らす。正確なキックと正確な位置取りがかみ合ってゴールをこじ開けた。後半になると、リバプールの攻撃がますます加速していく。ボール狩りとトランジションの速さでアーセナルを圧倒した。

 52分にはヌノ・タバレスのパスミスを逃さず、ボックス手前でパスをカットしたディオゴ・ジョタが冷静にネットを揺らす。73分にはGKアリソンのフィードから2つのヘディングでボールをつないでマネが抜け出すと、最後は折り返しにモハメド・サラーが飛び込んで3点目を挙げた。まさに電光石火の速攻だが、冨安は最初にヘディングした左サイドバックのコスタス・ツィミカスにプレッシャーをかけに行ったものの、競ることができず、ボールをつながれてしまった。結果的に自身が空けていたスペースを味方がカバーできておらず、マネに使われることになった。

 直後の76分にはベンチスタートだった南野がジョタに代わってピッチに登場。左サイドに入ると、そのファーストプレーで強烈に存在をアピールする。ジョーダン・ヘンダーソンの浮き球パスをボックス手前で収めたマネが、右にいたサラーに展開。タイミングよくフォローに来た右サイドバックのアレクサンダー=アーノルドがパスを受けてそのままゴールライン際まで進入し、鋭く低いクロスを送る。その先に待っていたのが、南野だった。冨安がスライディングよりも早く右足でボールをとらえ、ゴールを奪った。

 カップ戦では今季3得点を挙げている南野だが、リーグ戦では3試合目にして今季初ゴール。アーセナルとのビッグゲームで、しかも日本人対決で注目を集める中でダメ押しゴールを記録してみせた。

 試合は結局、そのまま4-0で終了。冨安加入後、9戦無敗だったアーセナルは初めて黒星を喫し、前節ウェストハムに敗れ、今季初黒星を喫したリバプールは圧勝で地力を示した。