ブンデスリーガ(ドイツリーグ)の第12節が現地20日に行なわれ、奥川雅也が所属するアルミニア・ビーレフェルトがボルフスブルクと対戦した。奥川は前半11分に鮮やかなボレーで、リーグ戦で2戦連発となるゴールをスコア。後半にチームは追加点を奪い、勝利に近づいたが、リードを守り切れず引き分けた。

上写真=先制ゴールを挙げ、仲間の祝福を受ける奥川雅也(写真◎Getty Images)

後方から来たボールを右足で直接叩きこむ

 見事な先制ゴールだった。前半11分、自陣でボールを奪ったビーレフェルトの選手が一気に攻め上がる。ボックス手前で相手にドリブルするコースを塞がれたパトリック・ヴィマーは、タイミングよくボックス内に進入した奥川を見逃さなかった。相手守備者をかわすように浮き球パスをボックス内へ供給。そこに走り込んだ奥川は後方から届いたボールを右足でダイレクトで叩いた。

 実に難しいシュートだったが、ボールはGKのいないゴール左へと吸い込まれた。前節のシュツットガルト戦に続く2戦連発。今季リーグ戦では3点目であり、カップ戦も合わせれば通算4点目。チームはリーグで17位と苦しい戦いを続けているが、奥川は間違いなく攻撃をけん引している一人だろう。

 その後はホームながら相手にボールを握られ、左サイドハーフで先発した奥川は何度もスライドさせられる展開になっていった。それでもビーレフェルトはリードを守ったまま後半へと折り返す。54分にはファビアン・クロスがPKを決めてさらにリードを広げた。いよいよ今季2勝目を手繰り寄せたかに思われたが、直後に悪夢が待っていた。

 62分、63分に立て続けに失点。それまで耐えていた守備陣が崩されて瞬く間に同点に追いつかれてしまった。この2失点以降は集中した守りでさらなる崩壊を免れたが、得点を挙げることはできず、2-2で試合を終えた。一時は2点をリードしながら耐えきれず、下位から抜け出す絶好のチャンスを逃した。ボール奪取後の選択という課題も残った。奥川も83分に交代するまで勝ち越しゴールを目指し続けたが、ついぞネットは揺らせなかった。

 これでビーレフェルトは1勝6分け5敗。奥川の鮮やかな得点で先制したものの初の連勝はならず、また一つ引き分けを増やすことになった。負けを引き分けにするのではなく、勝利を引き分けにしまった印象が強いゲーム。順位も17位のまま変わらなかった。

 次戦の相手は今季も首位を走る王者バイエルンだ。難敵に違いが、奥川にとってはザルツブルク(オーストリア)に所属していた2020年11月にチャンピオンズリーグで対戦し、大会初ゴールを奪った相手。自身の名を広めることにもなった強豪から再びゴールを奪い、チーム浮上のきっかけにしたいところだ。