ベルギリーグ1部(ジュピラー・プロリーグ)のシント=トロイデンVV(STVV)は現地17日、ホームで第11節・アンデルレヒト戦に臨んだ。試合は2度もPKを献上し、常に先行を許す苦しい展開となったが、アディショナルタイムにゴールを決める劇的な展開でドローに持ち込んだ。

上写真=アンデルレヒト戦に先発出場した林大地(写真◎STVV)

日本人選手5人が出場

 今月12日の練習中に左ハムストリングを痛め、4週から6週の間、戦列を離れることになった鈴木優磨は不在ながら、前節、初ゴールを決めた原大智と林大地が2トップを結成した。ホラーバッハ監督が累積で出場停止となり、アシスタントのシュミットコーチが指揮を執ったゲームは、開始からSTVVはアグレッシブな姿勢を見せる。原が後方からのボールを頭でつなぎ、林が拾ってゴールに迫るシーンも見られた。

 しかし、先制したのはアンデルレヒトだった。0-0で前半を終えて迎えた後半早々。クアメの独走を許し、GKシュミットがボックス内で倒したとの判定を受ける。触っていないようにも見えたが、判定は覆らず、ラファエロフに決められ、先行を許した。

 内容自体は悪くなかったSTVVは、ここで失点に気落ちすることなく、攻めの姿勢を保つと、3分後に追いついてみせる。相手DFのクリアをボックス外からコナテがボレー。すぐに試合を振り出しに戻してみせた。

 不運な形で先制をされたものの、すぐに1-1としたことでスタンドも押せ押せムードに包まれた。ところが、STVVにまたも苦しい状況が訪れる。ボックス内の混戦でダーキンがクリアしたが、キックの際にラマンと接触。意図的なプレーではなかったものの、VARを経てまたもPKを献上することになった。これをゴメスに決められてSTVVは再び突き放された。

 点を取るしかないSTVVは83分に伊藤達哉と代表帰りの橋岡大樹を投入。攻撃の圧力を強めた。右から橋岡、左から伊藤がクロスを入れ、原のヘッドを引き出すなど、チャンスを創出すると、アディショナルタイム(90+4分)に、FKからキャプテンのライストナーがボックス右で胸コントロールから右足を強振。土壇場で同点に追いついた。

「ホームでしたし、すごい勝ちたかったので悔しいですが、最後に気持ちに気持ちのこもったプレーで勝ち点1を取れたので、そこはプラスにとらえています。ゴールを求められていると思いますし、徐々に自分のコンディションも上がって来ているので、良い連係も取れているので、結果につながるように頑張りたい」

 2戦続けて先発に名を連ねた原は試合後、悔しさを口にしたが、一方で確かな手応えも感じていた。

 STVVはじわりじわりと勝ち点を重ね、11位まで浮上。次戦は24日(日本時間24日・28時)にアウェーでルーヴェンと対戦する。