アジア競技大会・男子サッカーは本日26日、準々決勝が行われる。Uー21日本代表の相手は北朝鮮(19時30分キックオフ)。厳しい戦いが予想される一戦を前に、FW道脇豊を取材した。同世代の選手が同時期に行われるA代表に招集され、活躍していることも刺激になっているという。ノックアウトステージでの『爆発』をストライカーは狙っている。

上写真=タイ戦でも惜しい場面が何度もあった。道脇豊は決勝トーナメントでゴールなるか?(写真◎Getty Images)

A代表のロス五輪世代に負けないように

 塩貝健人がA代表のウルグアイ戦でネットを揺らした翌日、アジア大会出場中のU−21日本代表でナンバー9を背負うストライカーは、ジェラシーを隠さなかった。

「他と比べても何なんですけど……。昨日、A代表の試合を見ていて、塩貝選手があんな風にガツガツ攻めて点を決めていた。いくらミスがあったとはいえ、得点をしてしまえばそれがストライカーとしての自分の価値になると思う。自分はグループステージの3試合でストライカーの仕事である得点を奪えなかった。本当に悔しいですし、チャンスがあった中だったので、悔しいステージになりました。でも残り3試合、優勝するために残り3試合あるので、ここから厳しい戦いが続くと思いますけど、そこで貴重なゴールを自分が決めていけたらと思います」

 道脇は初戦の香港戦、2戦目のキルギス戦、3戦目のタイ戦と、センターフォワードとして3戦連続で先発を務めている。しかし、ここまで1度もネットを揺らすことができなかった。本人が振り返るように、チャンスがなかったわけではない。そんな中で同じロス五輪世代で、一足先にA代表に招集を受け、今夏には北中米ワールドカップに出場した塩貝がA代表で初ゴールを奪った。学年は2つ上だが、同じロス五輪世代の選手の活躍に刺激を受けないはずはなかった。

「(刺激は)もちろんあります。もちろんリスペクトを持ちつつ、悔しさもあり。ただこういう状況の中で、自分がこの場に居られるのは、逆に自分が成長するチャンスだと思う。だからこのチャンスを生かせるようにやっていきたいし、(自分の)何かを変えるための(グループステージ)3試合だったというふうに思います」

 いくつも決定的なチャンスを迎えたのは、周囲のお膳立てがあったからというだけではない。その瞬間、その場所に道脇がポジションを取っていたからでもある。

「自分の動きの部分とか、そういったものを最近はより細かく分析しています。動き出しやポジショニングも、そういうのは意識付けしてプレーできていると思っていますし、それが顕著に出ていた3試合でもありました。でもやっぱり決定力は大事で、そこが足りなかった。ここから3試合でチームに貢献したい」

 アジア版のオリンピックと言われ、32年ぶりに自国開催となった今回のアジア大会では連日、日本選手団のメダル獲得が伝えられている。この日の前日には、卓球の男子団体の決勝で中国を3-2と破り、1966年バンコク大会以来、60年ぶりに金メダルを獲得した。今大会、男子サッカーが頂点に立てば、2010年の広州大会以来、16年ぶりの優勝となる。他競技の活躍を喜びつつも、道脇は言った。

「同じ大会に臨んでいる身として、そうやってアジアでチャンピオンになり、メダルを取っている選手がいるのは間違いなく自分たちにとってもプラスです。自分たちもサッカーで金メダルを取りたいと強く思います」

 グループAを首位で突破した日本は本日26日(19時30分開始)、北朝鮮との準々決勝に臨む。金メダルまであと3試合。道脇は自らのゴールで、頂点への道を切りひらくと誓った。

取材◎佐藤景