Uー23日本代表は3日、『AFC U23アジアカップ』決勝でU23ウズベキスタン代表を破り、8年ぶり2度めの優勝を飾った。激闘となった一戦で攻守に存在感を示したのがキャプテンの藤田譲瑠チマだ。2アシストを記録した準決勝に続いて決勝点に絡み、大会MVPも受賞した。

上写真=タフな戦いとなった決勝戦でも存在感を示した藤田譲瑠チマ(写真◎AFC)

■2024年5月2日 U23アジアカップ決勝(@ジャシム・ビンハマド)
 U23日本 1-0 U23ウズベキスタン
 得点:(日)山田楓喜

目標を達成できてうれしい

 山田楓喜の決勝点にも絡んだ。

 90+1分のこと。高井幸大が相手のトラップが大きくなったところを見逃さずにカット。そのボールを受け取ると藤田は前方にいた荒木遼太郎に縦パスを送った。

 荒木がヒールで落として山田につなぐ。そして見事な決勝点が生まれた。

 準決勝のイラク戦で2アシストを勝利の立役者となった藤田は、この試合でも効いていた。前を向いてボールを持てば、違いを生み出せる。

 アジアの頂点に立った日本のキャプテンは、大会MVPにも輝いた。

「本当にきつい試合でしたけど、勝つことが重要だったので目標を達成できてうれしく思います。MVPに関しては僕だけのものではないので、チームとして成し遂げたことだと思います。チームとして優勝できたことが第一で、自信を持ってパリに行けます」

 フォア・ザ・チームの精神を最後まで貫き、大会前から繰り返し言い続けてきた「アジア制覇」を達成した。次の目標もしっかり見据えている。

「アジアチャンピオンとして、結果にこだわって、まだ成し遂げたことのないメダル(獲得)だったり、優勝を目指したい」

 過去に日本がメダルを手にしたのは、1968年メキシコ・オリンピックの銅メダル。成し遂げたことのないこととはすなわち、銀か金のメダルを獲ること。開催時期がずれたために今大会はチーム事情から欧州組の多くが不参加となったが、その中でベルギーのシント=トロイデンVVから馳せ参じて、タフに戦い、有言実行してみせた。

 チームとともに自身も大きな飛躍を遂げた藤田譲瑠チマ。パリで再び新たな歴史を築く準備はできている。