上写真＝細谷真大が決勝ゴール！ 巧みにすり抜けて流し込んだ（写真◎Getty Images）
■2024年４月25日 U23アジアカップ準々決勝（観衆9,573人／＠ジャシム・ビンハマド）
U23カタール 2-4 U23日本
得点:（カ）アフメド・アルラウィ、ジャッセム・ガペル
（日）山田楓喜、木村誠二、細谷真大、内野航太郎
「本当に優勝しかない」
ついにこの男がエースの仕事だ！
藤田譲瑠チマが縦パスを差し、中間ポジションで受けた荒木遼太郎がターンして前を向く。右斜め前に優しいスルーパス。走り出したのは細谷真大だった。
後ろから相手にのしかかられながらも、倒れずにそれをうまく推進力に変えて前に出て、右45度の角度から右足をコンパクトに振った。GKの股下を破る勝ち越しゴール。101分、ついに、ついに決めてみせた。
「まず太郎（荒木遼太郎）が前を向いた瞬間にポジションを取ろうとして、うまく出してくれたので落ち着いて流し込むだけでした」
2分に山田が電撃的に先制しながら、24分、49分にゴールを浴びた。しかも、41分には競り合った細谷を蹴ったカタールのGKアブドゥラーが一発退場、日本が数的優位に立っているのにもかかわらず逆転されたのだ。そこから攻めに攻めながらなかなかゴールを割れず、67分にようやく木村誠二が同点ゴールを決めたが、気づけば90分を2-2で終えて、延長戦に持ち込まれていた。
そんな苦しみ抜いた時間のうっぷんを晴らすような胸のすく一発は、細谷にとって今大会初ゴールになった。
「チームを勝たせたい思いもありましたし、スペースはあったので、そこは自分の武器なのでチーム全体で突いていこうと話していました。もっと動き出せたと思いますし、もっと得点に絡めるように頑張ります」
やっと生まれた一発にも、もっとゴールを決められるチャンスがあったことへの反省が先に出る。
しかし、これでベスト4進出だ。あと1勝すればパリ・オリンピックの出場権を獲得できる。王手をかけた。
「まずは本当に優勝しかないので、次もいい準備をして臨みたい」
準決勝は29日、イラクとベトナムの勝者と激突する。