Uー23日本代表は19日、『AFC U23アジアカップ』のグループステージ第2戦、UAE戦に臨み、2−0で勝利を飾った。グループステージ突破を決めるこの重要な試合で右のインサイドハーフとして先発し、勝利を決定づける2点目を記録したのが、京都サンガF.C.のキャプテン、川崎颯太だった。

上写真=ゴールを決め、仲間と抱き合う川崎颯太(写真◎Getty Images)

GKから10本パスがつながって生まれたゴール

 27分、左CKの流れから木村誠二がネットを揺らし、日本は前半のうちに先制した。だが、以降は攻めども攻めども、なかなか2点目を挙げられなかった。

「自分たちが絶対に焦れないこと。相手の長身FWに一発があるとわかっていたので、事故とか起きるかもしれないので、絶対に2点目を取ると共有していた」

 前半終了間際にドリブルを仕掛けた川崎颯太が倒され、一度はPKと判定されたが、VARを経て取り消しになった。61分には山本理仁のシュートのクリアを拾った大畑歩夢の左クロスに荒木遼太郎が飛び込み、ネットを揺らしたが、これは山本のシュート時点で大畑がオフサイドポジションにいたため、ノーゴール。

 ほぼ日本が攻めていたものの、試合展開とはしては決して「良い」とは言えなかった。だが、川崎が言う通り、チームは「焦れなかった」。そして66分、ついに追加点が生まれる。左サイドで複数人が絡み、相手を翻弄して決めた。ネットを揺らしたのは、その川崎だった。

 しかも、始まりはGKの小久保玲央ブライアンだった。最後尾から相手に一度も触れさせることなく、パスをつないでつないでゴールを奪った。

 小久保からボールを引き取った右CBの鈴木海音がCBコンビを組む木村誠二にパス。すると木村は左サイドバックの大畑へ素早く展開し、大畑は前方にポジションを取っていた佐藤恵允に縦パスをつけた。

 佐藤がライン際をグイグイと持ち上がり、一つ内側のレーンにいた荒木にパスを送ると、荒木は後方でサポートしていた山本理仁とパス交換して、ボックス左まで移動した佐藤へ再びボールを戻す。後方から駆け上がってきた大畑が裏に飛び出す瞬間に佐藤からパスが出る。大畑が深い位置からマイナスのクロスを供給すると、一連の流れの中で左のポケット付近に入り込んでいた川崎が待ち構えていた。

 ニア側で頭を大きく振ってボールをとらえ、UAEを突き離す2点目が決まった。GKから10本パスがつながり、そのゴールは生まれたのだった。

「自分はボランチで相手を潰すところが特徴ですけれども、ああやって中に入っていく、点も取れるところを見せたいなと思っていたので、クラブでも中に入っていくシーンを増やしていて、それが代表でも出せて、なおかつ点も取れて良い状況」

 チームは目指してきた攻めの形をピッチに描き、川崎は狙っていた通りにフィニッシャーとなった。

 連勝でグループステージ突破を決めた日本は次戦、1位突破をかけて韓国と対戦する。

「より盛り上がると思うので、全員で、(西尾)隆矢含めて全員で勝ちに行くんで、それを皆さんと一丸となってまた戦いに向かいたいと思います」

 川崎の言葉からはチーム状態の良さと自信がうかがえた。一丸となって韓国戦へ。目指すはもちろん、『3連勝で首位突破』である。