上写真＝藤田譲瑠チマが難しい試合展開にも、チームに落ち着きをもたらした（写真◎Getty Images＝3月の親善試合より）
■2024年4月16日 AFC U23アジア杯GS第1戦
U23日本 1-0 U23中国
得点:（日）松木玖生
「意識的に声をかけていきたい」
さすがはキャプテンである。藤田譲瑠チマは試合直後に冷静に分析している。
「早い段階で得点できたのはいいんですけど、その後すぐにレッドカードが出てしまって、そのシチュエーションは自分たちを難しくしたとは思うんですけど、チームとして90分間うまく失点なしで抑えられたので、そこはプラスに考えていいかなと思います」
松木玖生が鮮やかに先制したのは8分のこと。ところが、17分には西尾隆矢が相手に肘打ちしたとしてレッドカード。数的不利に陥ったが、そこからのゲーム運びはお見事だった。アンカーとして先発した藤田は、その横に松木が下がって横並びになって中央を閉めた。
「自分自身はいつも通りで、やってきたことしかできないので、特別なことはしようとせず、いままで自分が培ったものを出そうという気持ちで臨みました」
1人少なくなり、劣勢は明らか。しかし、パワープレーの割合を強めてきた中国に対しても、こぼれ球を拾うとやみくもに前線に送り込むような軽薄なプレーなど見せずに、落ち着いて足元に手懐けて時間を作り、日本には落ち着きを、中国には焦りを与えた。そして、1-0で逃げ切りに成功した。初戦の勝利は重要な意味を持つ。
「すごく大きいと思います。今後にも響いてきますし、自分たちもこの初戦で勝てたことによっていい流れに乗れると思うので、この流れに乗ったまま今後の試合も戦っていきたい」
大ピンチを乗り越えたから、なおさらだ。そして、中2日で立ちはだかるのは、UAEである。
「まずはいい準備をして、次の試合に勝てるように、またチームとして勢いを持って試合に臨めるように、自分自身、意識的に声をかけていきたいと思います」
このキャプテンは自分がチームの勝利のために何をすべきか、よく分かっている。