Uー23日本代表は22日、京都・サンガスタジアムでUー23マリ代表と対戦した。結果は1−3で敗れたが、チームとしてトライした部分もあった。その一つが左サイドのタンデム。初めて組んだバングーナガンデ佳史扶と平河悠の縦関係だった。

上写真=左サイドバックとしてU23マリ代表戦に先発したバングーナガンデ佳史扶(写真◎毛受亮介)

今後の試合でトライしていきたい

 この日、先制ゴールをスコアしたのはFC町田ゼルビアの平河悠だった。左ウイングで先発し、開始早々の2分にネットを揺らした。

 その後方、左サイドバックで先発したのが、FC東京のバングーナガンデ佳史扶だ。

「個人的には悠くんとサイドを組むのは初めてだったので、試合前から話して色々と試そうとしました。でもなかなかいいボールが入らず、まだまだ良い関係性を作れなかった。いい形で悠くんにボールを渡せませんでした。そこが今後も修正していかないといけないなと」

 平河は今回が3度目の招集になる。昨年6月の欧州遠征、9月のアジアカップ予選、10月のアメリカ遠征はケガで辞退し、パリ五輪の最終予選前、最後の準備機会となるこの3月シリーズで代表チームに戻ってきた。

 一方で佳史扶は大岩剛監督が「コア」と呼ぶ、このチームの立ち上げから名を連ねる選手の一人だが、昨年はケガもあって招集機会が限られた。そのため、二人は今回、初めて縦関係を組むことになった。

「うまくいかないことも多かったですけど、その中でもいろいろと話し合って、手応えをつかめたところもあります。今後の試合でトライしてチャレンジしていきたいなと思いました」

 佳史扶はどんなところに手応えを感じたのか。

「悠くんがサイドに張ったときに僕が中に入っていくプレーとか、試合中に目と目が合って『今のボールが来ていたら行けるね』という話も出来ていましたし、実際にボールが来たときにどうか、というのはあるんですけど、プレーのイメージはできましたし、どんどんやっていきたい」

 平河は小見洋太、佳史扶は内野貴史に代わり、64分にベンチに退いた。決定的な場面を生み出したかと言えばそうではなかった。だが、二人は意図を持ったプレーを続け、そこに可能性を見いだしていた。

 3月シリーズは多くの選手を起用し、見極めていくと大岩剛監督は明言している。中2日で迎える25日のU23ウクライナ代表戦に、二人が先発することはおそらくないだろう。プレー機会があるとすれば、試合途中からになると思われる。練習も含めて時間のない中でどこまで連係を高められるか。二人の関係性をこの先につなげていくためには、重要なポイントになる。

 今回招集されている海外組は4月の最終予選も引き続き参加すると思われる一方、不在の海外組はクラブ事情から呼べない可能性が高い。となると、国内で結果を出している選手には、これまで以上に大きな期待がかかる。

 平河は今季J1初挑戦ながら開幕から4試合連続で先発し、アグレッシブなプレーで攻撃をけん引。チャンスメークとゴールで存在感を示している。そして佳史扶も4試合すべてに先発し、1得点1アシストを記録。2人の存在は、間違いなく今回の活動でチームを刺激している。

 この日はピッチで示せなかったゴールにつながるプレーを、次こそは。

 二人は4月の最終予選で進化した縦関係を見せられるかーー。

取材◎佐藤景

先制ゴールを決めた平河悠(写真◎毛受亮介)