U−22日本代表はアメリカ遠征で15日にU−22メキシコ代表と対戦し、4−1で勝利を飾った。18日にはU−22アメリカ代表と対戦する。出場濃厚なシュツットガルトⅡに所属のDF、チェイス・アンリが意気込みを語った。現地でチームを追う飯尾篤史氏がリポートする。

上写真=メキシコ戦は途中出場。アメリカ戦で先発が期待されるチェイス・アンリ(写真◎飯尾篤史)

早くそのピッチに立ちたいなと

 代表チームの活動に参加するのは、今年5月のU-20ワールドカップ以来5か月ぶり。ドイツ4部リーグのシュツットガルトⅡに所属するセンターバックのチェイス・アンリにとって、今回の招集は待ちに待ったものだった。

「自チームでも試合に出ているし、このチームはパリオリンピックを目指しているっていうことで、自分も早くそのピッチに立ちたいなって思っていました」

 海を渡ったのは22年4月のこと。昨季はシーズン終盤になって出場機会を掴み、今季はコンスタントに試合に出られるようになった。その背景にはメンタル改善がある。

「正直、最初の頃は遠慮もあったんですけど、自分が目指しているのはもっと上。ここにずっといるわけにはいかないと思って。練習中から相手を潰したり、何を言われても気にせず。練習時間は1時間とか、1時間半しかない。その時間でアピールしないといけないんで、強く行く。球際で負けない。弱く行ったら、海外では舐められるんで、そういうところを変えたら、試合に出られるようになりました」

 メンタル改善がもたらしたのは、セカンドチームのレギュラー奪取だけではない。今季はトップチームの練習に参加する機会が増えた。

「9月のインターナショナルマッチウイーク中は週3回参加させてもらいました。翌週、代表選手たちが全員戻ってきたあとも、週3回呼んでもらって、大きかったですね」

 シュツットガルトは近年の低迷がウソのように、現在、ブンデスリーガで2位につけている。前線を預かるのはギニア代表のセール・ギラシ。13ゴールで得点ランキングのトップを走るストライカーとのバトルが、チェイスを成長させている。

「ギラシ選手は強烈ですね。でも、あの人とやることによって、セカンドチームのFWは甘く見えますからね。同じセンターバックの(ダン=アクセル)ザガドゥ選手や(バルデマール)アントン選手からも学んでいます。ザガドゥ選手だったら、やっぱりヘディングですね。アントン選手からは、守備のポジショニングとか、細かいところを参考にしています。足の向きがちょっとズレただけで裏を取られるので、アントン選手は今の1番の見本ですね」

 10月14日に行われたメキシコ戦は82分からの途中出場にとどまったが、17日のアメリカ戦ではスタメン起用が濃厚だ。

「この世代でやるのは久しぶりなので勝って終わりたいですし、相手FWを全員潰したいですね。あと、自分がゴールを決めるっていう気持ちでやりたい。1点は決めたいですね」

 U-20ワールドカップではセネガルやコロンビアのFWと互角以上に渡り合ったが、アメリカ戦ではさらに進化した姿を披露してくれるはずだ。

取材・文◎飯尾篤史