上写真＝日本は開始早々の2分、内野航太郎が落ち着いて決めて先制、歓喜の輪ができた（写真◎Getty Images）
■2023年10月7日 アジア大会サッカー男子決勝（中国・杭州）
日本 1-2 韓国
得点：（日）内野航太郎（2分）
（韓）チョン・ウヨン（27分）、チョ・ヨンウク（56分）
「勝たせることができなかった」とFW内野
この大会では、24歳以下の選手にオーバーエイジの選手を3人まで加えることのできるレギュレーション。兵役免除がかかった韓国はこの規定通りにチームを構成、A代表経験者も加えていたが、日本はパリ・オリンピックに向けた強化の一環として、22歳以下のメンバーのみで組んだ。しかも、パリ五輪予選を兼ねた9月のU-23アジアカップ予選に出場したチームとは別のメンバーの、いわば「もう一つのチーム」で臨んでいた。
それが、ファーストストライクでいきなり先制したのだ。開始わずか2分、ボランチの重見柾斗が左に振って、左サイドハーフの佐藤恵允が縦に力強く突破、折り返しがDFに当たってこぼれたボールを重見が拾って今度は右へ届けると、FW内野航太郎がワントラップから狙いすましてゴール右上を抜いた。
先制パンチの効果はしかし、あまり長くは続かなかった。自分たちでボールを動かす中でミスを連発。特に最終ラインでつなぐところを狙われて韓国に押し込まれると、27分には同点ゴールを浴びた。日本の左サイドで粘られて逆サイドへクロス、チョン・ウヨンにヘッドでゴール左上にたたき込まれて試合は振り出しに戻った。
これでさらに韓国が勢いづき、日本は自陣に張りつく時間が長くなる。必死の守備でなんとか弾き返すものの、なかなか前にボールを運べない苦しい展開から抜け出せなかった。
そのパワーに押し切られたのが、後半開始から間もない56分だった。ファン・ジェウォンが最終ラインから持ち出してきてペナルティーエリアの中に通され、チョン・ウヨンが触ってこぼれたところをチョ・ヨンウクに押し込まれてしまった。
日本は右からMF松村優太、左に流れるMF西川潤のサイド攻撃を試みるが、いずれも単発。交代選手を次々と投入すると、FW鮎川峻がボールを引き出し、ボランチの谷内田哲平がリズムを落ち着けて、左からウイングバックに入った小見洋太が突破してゴールに迫るが、最後まで韓国を上回ることができなかった。
先制点を挙げた内野は「あの時間で先制点を取れたのは、立ち上がりで相手の雰囲気に負けないようにチームとしてしっかり入れたのは良かったと思います」と自らのゴールが勢いをもたらしたことを喜んだ。しかし、結果は1-2の黒星。「自分がもう1点取ることができずに、チームを勝たせることができなくて本当に悔しいです」と唇をかんだ。
今大会の日本の成績
▶グループステージD組
■9月20日 日本 3-1 カタール
得点：（日）谷内田哲平（2分）、内野航太郎（25分）、山﨑大地（88分）
※日本のみ
■9月25日 日本 1-0 パレスチナ
得点：（日）谷内田哲平（22分）
→2勝でグループ首位でノックアウトステージ進出
▶ラウンド16
■9月28日 日本 7-0 ミャンマー
得点：（日）佐藤恵允2（12分、27分）、鮎川 峻2（26分、35分）、角昂志郎（42分）、内野航太郎（66分）、日野翔太（73分）
▶準々決勝
■10月1日 日本 2-1 朝鮮民主主義人民共和国
得点：（日）内野航太郎（51分）、松村優太（80分）
※日本のみ
▶準決勝
■10月4日 ホンコン・チャイナ 0-4 日本
得点：（日）鮎川 峻（23分）、日野翔太2（54分、86分）、小見洋太（74分）
▶決勝
日本 1-2 韓国
得点：（日）内野航太郎
（韓）チョン・ウヨン、チョ・ヨンウク