上写真=3試合連続で先制ゴールを挙げた久保建英(写真◎Getty Images)
■2021年7月28日 サッカー男子1次ラウンドA組(@横浜国際競技場)
フランス 0ー4 日本
得点:(日)久保建英、酒井宏樹、三好康児、前田大然
・フランス代表メンバー:GKポール・ベルナルドニ、DFクレマン・ミシェラン、ピエール・カルル(62分:モディボ・サニャン)、アントニ・カシ、ティモテ・ペンベル(62分:メルバン・バル)、MFリュカ・トゥサール、フロリアン・ソーバン、テジ・サバニエ(38分:エンゾ・ルフィー)、アレクシ・ベカベカ、ランダル・コロムアニ、FWアンドレピエール・ジニャク
・日本代表メンバー:GK谷晃生、DF酒井宏樹(55分:橋岡大樹)、吉田麻也、冨安健洋、中山雄太、MF遠藤航(72分:板倉滉)、田中碧(80分:前田大然)、堂安律(72分:相馬勇紀)、久保建英(46分:三好康児)、旗手怜央、FW上田綺世
準々決勝の相手はニュージーランドに決定
グループAの首位に立つ日本は、勝てば文句なしで準々決勝に進める状況だった。仮に負けたとしても、1点差以内なら8強入りが決まる。しかし、チームとして勝利以外は求めていなかった。その姿勢が先制点を生む。決めたのは、またしても久保だ。
27分、田中が鋭い縦パスを入れると久保が収めて、すぐさま前方へ。受けた1トップの上田はマーカーのDFの背中を取るようにボールを右に動かし、コースを作ってシュート。相手GKベルナルドニに弾かれたが、こぼれ球に誰より先に久保が詰めて左足を一閃。久保による3試合連続の先制点で、日本が狙い通りリードを奪った。
2点目も前半のうちに記録する。34分だった。再び久保から上田にパスが出て、上田が左足シュート。またもGKにストップされるが、こぼれ球に酒井が走り込み、ゴールに流し込んでみせた。
アグレッシブな守備から攻撃に転じ、ゴールを目指す日本の狙いは、前節メキシコ戦から先発を3人入れ替えても、ピッチでしっかり体現された。1トップは林大地から上田、左MFは相馬勇紀から旗手、そしてCBは板倉滉から冨安。メンバー変更は時にチームバランスに影響を及ぼすが、この日の日本に限っては2連勝しているチームに比べても何らマイナスを感じなかった。中2日で戦う今大会は総力戦で臨まなければならないが、その準備をしっかりやっていることをうかがわせた。
酒井が今大会2度目の警告を受け、次戦出場停止になったのは痛いものの、この試合でその酒井と代わって入った橋岡は集中した守りを披露。2点リードをしていたこともあるが、累積や負傷など不測の事態にも動じないチームを作ってきた自信が今の日本にはある。疲労を考慮して次々と選手を変える中で、途中出場の三好が70分に、さらに前田が90+1分にダメ押しゴールを決めたこともまた、総合力の証明だった。相手に退場者が出て終盤はより優位にゲームを進められた面もあるが、積極的に戦い切っての4-0は評価すべき結果だろう。
「絶対に勝ちが欲しいフランスに対してまずわれわれがアグレッシブに戦おうと。勝利をつかみ取って決勝トーナメントに進もうということを選手たちが積極的にトライしてくれた。ここまで2連勝で来れて、力があるから勝てて来ている。やってきたコンセプトを今日も表現しようということで(選手たちを)送り出しました」
森保一監督が試合後に振り返ったように、日本は勝利しか求めていなかった。フランスを破り、1次ラウンド3連勝。出場全16チーム中、3連勝を飾ったのは日本だけだ。この結果、グループAの首位となり、決勝トーナメントに進出が決定。次戦の相手はB組2位のニュージーランドに決まった(31日・18時)。
「成果もあり、課題もありの3連勝だったと思います。3連勝したことが次の決勝トーナメントの結果を約束してくれるものではないので、いいところはしっかりと伸ばして、改善しないといけないところは改善して、次に臨みたいと思っています」(森保監督)
目指す場所はベスト8ではない。頂点だ。日本は金メダル獲得に向けて、第一関門を突破した。
■グループA順位表
1 ※日本(勝ち点9/3勝/7得点・1失点/得失点6)
2 ※メキシコ(勝ち点6/2勝1敗/8得点・3失点/得失点5)
3 フランス(勝ち点3/1勝2敗/5得点・11失点/得失点-6)
4 南アフリカ(勝ち点0/3敗/3得点・8失点/得失点-5)
※決勝トーナメント進出決定