U-24日本代表(東京五輪代表)の板倉滉が14日、オンラインで取材に応じた。先日のホンジュラス戦を振り返り、課題を自覚。8日後に迫った本大会までに修正を図り、チームとしても個人としてもレベルアップを誓った。

上写真=オンラインで取材に応じた板倉滉(写真◎スクリーンショット)

本大会でも想定されるシチュエーション

 ホンジュラス戦は後半にペースが落ち、相手に流れを渡す時間もあった。ハーフタイムには「2-0が一番危ない」と吉田麻也キャプテンを中心に選手間で声を掛け合っていたが、次の1点を相手に渡すことになってしまった。

 失点直前に田中碧と交代して流れを断ち切るべくピッチに入った板倉は、浮き彫りになった課題を挙げる。

「後半、(選手が)コンディション的にすごくキツそうだなというのは外から見ていて感じていました。その中で僕が入って真ん中のところには空いたスペースがあったので、うまく入ってマイボールをできるだけ長い時間できたらいいなと思っていた」

 何をすべきか整理して試合に臨んだが、直後に失点を喫した。「もっとアグレッシブに守備にいきたかったし、割と相手がボールを保持する時間が長かったので、そこでボールを奪えたらよかった。そう思いつつ、暑さもありコンディションのところもあって、(チームとして)なかなかいけないところが続いていた。本当は僕が入って守備のところをもっと固めてゼロに終われたらというのがありましたけど」

 本大会でも同様のシチュエーションで出場するケースは十分に考えられる。板倉も、イメージしていた。

「間違いなく難しい状況での出場はある。途中交代の選手が前半から戦ってきた戦力に活力を与えるではないけど、もっとチームに活気を与えられればと前回戦って感じました。いつでてもチームを助けられるように、僕で言ったら守備のところは最低限助けなければいけないと思う。ゲームの流れを見つつ、チームを助けられれば」

 劣勢を優勢に変え、優勢ならその状況を維持する。途中出場の選手に期待される役割だろう。U-24日本代表のここまで起用法を見ると、板倉はボランチでもCBでも途中出場でプレーするケースが想定されるが、中2日で試合に臨む本大会はコンディションとの戦いでもある。チームの総合力が試されるハードな戦いの中で、板倉が先発することも当然ながら想定できる。そうした準備についても、抜かりはない。
 
 例えばボランチ。板倉は自身の仕事を整理していた。遠藤航と田中碧のコンビについて「外から見ていてすごく良い連係ができていると思う。特に前回の試合の前半はお互いがいい距離感で、中盤を経由して縦パスをつけていた。それはいい部分」と2人の組み合わせの利点を認めつつ、「2人の長所と僕の長所は違うところがある。できないことはやろうと思っていません。とにかく自分の力を、できることをチームに還元するだけ」とまた別の持ち味でチームへの貢献を誓った。CBにしても同じ考え方だろう。

「ホンジュラス戦の後半も、みんなの気持ち的には前半のように前から激しくガツガツいきたかったと思う。でも、本戦もそうだけど、中2日でこれだけの気候の中でやらないといけない。無理して前からいくのと同時に、意思統一して後ろを固めるのも大事。間違いなく相手も強くなって、この暑さで押し込まれる時間とか、なかなか行けない時間帯も出てくると思うけど、そこは割り切って、選手同士で、ピッチの中で話ができればいい」

 本大会で勝ち上がっていくためには、全員が同じ方向を向かなくてはないならない。チームとして課題をクリアし、自らの役割をしっかりとこなす。板倉には、頂点へ続く道がしっかり見据えている。