東京五輪に臨むU-24日本代表DF中山雄太が13日、オンラインで取材に応じた。ホンジュラス戦でもプレーした左サイドバックとして本大会に臨むことが濃厚だが、チャレンジを続けてチームの勝利に貢献できるように準備をしたいと語る。

上写真=12日のホンジュラス戦に先発した中山雄太(写真◎JMPA毛受亮介)

自分たちで課題を見つけにいった

 12日のホンジュラス戦では87分に足をつって交代した。しかし心配は無用。その理由を中山は明かした。

「(コンディションは)順調に上がって来ていると思います。僕自身、交代は足をつったからなんですけど、つったのもここ数年なかったですし、逆に言えばそこまで追い込めたので、それは大きかったなと思います」

 海外組は6月の活動の後、オフに入った。1カ月の間、ゲームから離れたことになる。森保一監督も選手たち自身も語っているように、本大会に向けて今はコンディションを整えることが重要だ。その点で、中山はここまで順調に来ているという。22日の五輪初戦、南アフリカ戦から逆算して、ホンジュラス戦ではしっかり体を追い込んだ。

 プレー面でも『調整』が進んでいる。五輪本番でも自ら「キャリアが浅い」と語る左サイドバックとして出場することが濃厚だが、どん欲に学ぶ姿勢を持ち、日々チャレンジを続けている。本人は、まだまだ満足できるレベルというものの、ホンジュラス戦では攻撃参加のタイミングに迷いは見られず、守備でも穴を空けず、実にスムーズにプレーしていた。

「僕自身、日々の成長というか、練習から探り探りというか、チャレンジした中でエラーをしながらもやるということを続けています。その結果の積み上がりだと思っています。目に見えて良くなってきていると言っていただけるのは僕自身、うれしいことではありますけど、見ている場所はまだまだ上にありますし、そこに近づくためにやることは変わらない」

 五輪で目指すのは金メダル。練習でもテストマッチでも本大会の試合の中でも、少しでも成長してチームの勝利に貢献することを目指す。それゆえに及第点では満足できない。

「(ホンジュラス戦の)ハーフタイムにも、逆サイドですけど、宏樹くんに『ああいうときにはどうしたらいいですか』と聞けたし、そこは自分の中でも少しずつですけど、積み上げられている部分がある。本大会中もそうですけども、まずは本大会までにしっかりと今よりもより良くなっていく意識でやっていきたいと思います」

 チームとしても個人としてもホンジュラス戦は「課題を自分たちから見つけにいくという意識を持ってプレーした」。だから浮き彫りになった課題は「必ずしもネガティブなものでない」という。すべては「今後に生きる課題だと思います」。具体的に言えば、チームとしての試合運びを磨くこと、個人としては左サイドバックとして縦関係を組む選手との関係やビルドアップの精度を上げること。やることは多いが、すべてがチーム力の向上につながると実感してもいる。

「チームとして勝利を重ねながら課題を見つけて次に向けて良くなれるような意識がすごくある。それを全員で共有できていますし、本当に他の選手も言っている通り、しっかりとプロセスを踏めて進んできていると思います」

 チームを勢いづかせる意味でも中山が「重要」と話す初戦の南アフリカ戦まで、あと8日。U-24日本代表の左サイドバックは、体とプレー、そして心の準備も着々と進めている。