キャプテンの吉田麻也が率いるU-24日本代表は、7月12日のU-24ホンジュラス代表とのテストマッチで3-1の勝利を収めた。とはいえ、金メダルのためには課題もある。納得がいかない部分と、それでも順調に進んでいる実感を携えながら、目前に迫った東京オリンピックに準備を続けていく。

上写真=吉田麻也はキャプテンとしてチーム作りが順調だという実感を持っている(写真◎JMPA毛受亮介)

■2021年7月12日 国際親善試合(@ヨドコウ桜/観衆4,063人)
U-24日本 3-1 U-24ホンジュラス
得点者:(日)吉田麻也、堂安律2
    (ホ)オウンゴール

「フリーすぎて緊張しました」

 キャプテンとしては、課題をしっかり見据えなければならない。前半は日本のシュート10本に対して相手には1本も打たせないほぼパーフェクトな45分。13分にセットプレーから自らゴールを決めて先制すると、堂安律が40分に追加点を挙げて、ハーフタイムを迎えた。

 ところが、後半は一気に5人を代えてきたホンジュラスに主導権を渡す形になって押し込まれ、前半にあれだけ気持ちよさそうにボールが回っていたのに、一気にペースダウン。65分には失点を許してなおも押し込まれた。

「前半は良かったですけど、やっぱり失点する前に3点目を先に決めないと。前半から仕留めるところはあったし、2-0から1点返されると相手が勢いづくから気をつけようとハーフタイムに話していました。でもそうなってしまって、納得がいかないというか、課題ですね」

 ただ、6月の活動を終えて一度オフに入り、本大会に向けて再びコンディションを高める途中での試合だから、織り込み済みであるとも言える。

「久々の公式戦ということもありますけど、フィットネスもギアもテクニカルな部分も上げていかないといけないと思います。3点目を取って試合を終わらせることができたはずです。ただ、最後は3点目を取って締めることもできました」

 オリンピックの出場は3度めとなるが、過去の経験から比べても、課題はありながらも順調に本大会に向かって歩んでいる実感もある。

「非常に良い状態にあります。まだ過程ですけど、全体としてはいい形でケガ人もなく来ています。自分もいいプロセスを踏んでいます」

 13分の先制ゴールも、その「いいプロセス」の一環だろう。右からのFKで、一度田中碧が蹴るふりをして相手を動かしたあと、久保建英がふわりと滞空時間の長いキックでゴール前へ。ファーからもぐり込んだ吉田は、右足のアウトサイドに当てて流し込むテクニカルなシュートで決めてみせた。

「スカウティング通り、練習通りで、いいボールがいいタイミングで来て、いいスカウティングあったからです。たまたま僕に来たけれど、フリーすぎて緊張しました。でも、きちんとインサイドで打たないとだめだなと思っています」

 そう話してニヤリと笑ったが、改めてこのチームのセットプレーには大きな信頼を寄せることができそうだ。

「細かいミスなくすことと、うまくいかないときに軌道修正をうまくしたい。前半の終わり方についても3点目を決められたかもしれないけど、2-0で回し方も良かったし、後半の入りが悪かったわけではないんです。でも、徐々に流れを持っていかれた中で、もう一度引き寄せる力やゲームマネジメント、3点目を先に確実に取るというところ、相手のチャンスが少ない中で取られたところを、もう少しうまくしないといけないなと思います」

 小さな課題をしっかりと認識して修正して、次へ進んでいく。

写真◎JMPA毛受亮介