東京オリンピックへ向けて7月5日から事前キャンプに入っているU-24日本代表。3人のオーバーエイジの1人として加わった遠藤航は、とにかくコンディションを高めることに集中している。そこさえクリアすれば、最後まで戦い抜く自信があるのだ。

上写真=遠藤航は静岡県内でのキャンプで「雰囲気はとてもいいので、何かを変える必要はない」と順調な日々を過ごす(写真◎山口高明)

「3試合で終わらせたくない」

 なにはともあれ、コンディションのアップが最初のテーマだ。東京オリンピックにオーバーエイジとして参戦する遠藤航は、6月シリーズが終わったタイミングで一度オフに入り、7月5日からのキャンプに帰ってきた。戦う心と体を整えて、金メダル獲得への道に足を踏み出した。

 トレーニングとテストマッチ2試合が事前の準備。大会が始まれば中2日で一気に駆け抜けていく必要がある。だが、その準備はなにか特別なことである必要はないという。

「確認というより、コンディションを上げることですね。(一度オフに入ったので)そこが懸念としてあるかもしれないけれど、みんな意識を高く持って、いいトレーニングをしていくことが大事なのかなと思います」

 すでに6月シリーズでオーバーエイジを組み込んで対外試合を戦い、U-24ガーナ代表には6-0、ジャマイカのフル代表には自身がチーム2点目を決めて4-0という結果も残している。もちろんそこで出た課題に向き合うが、コンディションさえ上がっていけばチームとして完成への度合いが高まっていく、という自信を感じている。

「中2日の連戦と厳しい戦いでは、総合力が試されると思っています。誰が出ても結果を残せる状態にしておきたいし、スタメンで出る出ないにかかわらず、出たときに最大パフォーマンスを出すための準備をすることがいまは大事です」

 前回のリオ・オリンピックでの反省が根底にはある。1勝1分け1敗でグループステージで敗退した。

「シンプルに、3試合で終わらせたくないんですよ。前回も長い間、準備したのに3試合で終わってしまいました。もっと一緒にプレーしたい思いがありました。東京世代もみんな準備してきた中でオリンピックに臨むので、3試合で終わらせたくないし、初戦の戦い方だったりメンタルのサポートや、プレーのことはもちろんやっていきたい」

 その中で、遠藤自身に課しているのは、全試合で戦うことだ。

「僕は全部出るつもりでイメージして準備しています。中2日の連戦でいかにパフォーマンスを落とさずにできるかは新しいチャレンジです。しっかり全試合、決勝まで出続ける姿を見せたいと思います」

 その戦いを終えたとき、胸にかかるメダルが輝く金色であることを誰もが期待している。