U-24日本代表のGK大迫敬介がオンラインで取材に応じた。今回の活動は12日に行なわれるジャマイカ戦で終了するが、チームの立ち上げから参加し、ここまで戦ってきた守護神は五輪メンバー入りへの強い思いを改めて語った。

上写真=五輪本大会のメンバー入りへ、思いを語った大迫敬介(写真◎スクリーンショット)

ここまで悔いなくやってきた

 今回の活動には、4人のGKが選ばれている。それぞれが持ち味を発揮し、激しい競争を繰り広げてきた。現時点で誰が五輪メンバーに選ばれるかはもちろん分からないが、いずれも気合十分なのは試合からも練習からも伝わってくる。中でも2017年12月のチームの立ち上げから名を連ね、強化の中で重要な大会と位置付けられていた2020年1月のU-23アジア選手権でもゴールを任された大迫は、このチームへの思い入れが強い。

「ずっと目標にしてきた。その最終選考の段階に自分がいるのはうれしく思います。ただ、しっかり最後まで選ばれて日本を代表してオリンピックを戦いたい気持ちがある。自分自身を応援してくださっている方々のためにも、オリンピックに出て活躍したい思いがあります」

 昨季は所属するサンフレッチェ広島で出番を失うなど苦しい時期を過ごしたが、今季は見事に復調。ここまでリーグ戦の全試合に出場している。「オリンピックに出るためには自チームでの出場機会が必ず必要になると思っていた。昨年の悔しさを今年にぶつけると思っていました。ただ、僕自身はもっとできると思っているし、やらなければいけない感覚がある。現状に満足はしていないし、もっとチームを救えるようなプレーを増やしていきたい」。五輪出場への強い思いに突き動かされるように、自身の成長を目指し、プレーしてきた。

 結果、クラブで定位置をしっかりつかんだが、まだまだ足りないと本人は言う。今回の活動でもライバルたちとの切磋琢磨の中で、自分の足りないものを確認し、海外でプレーする選手たちとの対戦や練習の中で大きな刺激を受けている。

 さらに今回はオーバーエイジがチームに加わった。CBの吉田麻也やサイドバックの酒井宏樹との連係構築はGKとしての一つのテーマであり、その習熟に努める中で、やり甲斐を感じていた。「吉田選手や酒井選手はディフェンスラインの選手。見ていてもやっていても、すごく信頼できる選手ですし、プレーの一つひとつのクオリティーが高い。頼れる存在なのは間違いないし、そこにみんな付いていきながら本番までに一つにまとまっていければと思います」。まだ完璧ではないものの、本大会までの時間の中で連係を深められれば、チームが大きく発展すると実感している。そして連係構築を図るのは『自分』でありたいと大迫は強く願っている。

 今回招集された4人のGKは、本大会ではおそらく2人に絞られるだろう。オンライン取材の中で、自身の強みを聞かれた大迫は答えた。

「僕自身の強みはシュートストップや守備範囲の広さ。それが自チームで発揮できているところ。それで今回も呼ばれていると思います。これまでもこの年代で積み上げてきたものがある。そこは自信を持ちながら、ピッチの上で表現していければ」

「直前合宿もラスト1日、ここまでしっかりと悔いなくやってきた。ジャマイカ戦はGK4人の誰が出るか分かりませんが、与えられたところで頑張りたいと思います」

 泣いても笑っても活動はあと1日。ジャマイカ戦が最後のアピールの場。五輪の舞台に立つために、大迫はすべてを注ぐ。