上写真=オンラインで取材に応じた林大地(写真◎スクリーンショット)
結果に残すか、残さないかは自分次第
上には上がいるーー。林は今回の活動で刺激的な日々を過ごしているようだ。オーバーエイジの3人、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航が加わったことで、U-24代表はグッと引き締まった。それははた目にも分かる。5日のU-24ガーナ代表との試合でも、3人がいることでチームには活気と緊張感があった。
「今までに感じたことのない存在感というか、日本代表としてワールドカップに出場し、世界の強豪チームに所属してスタメンで出ている選手と、これだけ近い環境でやらせてもらうことは初めて。衝撃を受けたではないけど、あのレベルになっても上を目指して追求する人たちと一緒に活動させてもらっているのは貴重な経験だし、自分にとっては前回の活動で呼ばれたこともすごく刺激になったけど、より刺激をいただいているというか。もっと自分はやらないといけないと感じています」
経験豊富な選手たちが、経験の浅い選手たちの成長を促すという、森保一兼任監督や横内昭展監督が望んでいた状況が訪れている。もちろん、林自身にとっても歓迎すべきこと。未知の体験を通して、自分に必要なものを改めて整理している。3日に急きょ行なわれたA代表との試合もまた、大きな刺激を受ける機会となった。
「動きの質や止めて蹴る、パススピードと全てにおいてレベルの違いを感じました。そういうところは伸ばさないといけない。ただ自分の得意な形に持っていけたときには、完全に勝ったわけではないけれど、少しは嫌がるプレーはできたかなというのはありました。そういうところをもっと改善していければいいと思います」
ガーナ戦で、林には出番がなかった。一方で同じFWのポジションで先発した上田綺世はゴールを決め、結果を出した。今回のシリーズは五輪本大会に向けてメンバー選考の場でもある。何も感じないと言ったらうそになる。ライバルの活躍に、ふつふつと闘志が湧いていた。
「綺世はガーナ戦でしっかり得点という目に見える結果を残した。自分は出場していない。味方としてうれしい部分ですが、いい意味ですごく嫉妬しているというか。彼には大学時代からすごく刺激をもらっていましたし、すごくいい意味で嫉妬心が湧いています。その思いを結果に残すか、残さないかは自分次第。いつ出番が来てもいいように準備し続けたい」
OAの加入で後ろが安定し、攻撃の選手として頼もしさを感じつつ、ゴールを奪うという自分の役割をしっかり果たさなくてはならないとも感じているという。「(堂安)律もタケ(久保建英)もうまい。多少無理な動きや無茶な要求をしてもうまいこと(パスを)出してくれる。自分の動きを先に伝える部分は伝えておけば、ゲームで走ったら自分のことをうまいこと操ってくれると思うので、そこは味方を信じて走り続けたいと思います」。ピッチでプレーする自分もイメージできている。
準備は万端。あとはゴールという目に見える結果を出すのみ。12日まで続く合宿と試合で、林は今、自分が持てる力を出し切る。