上写真=U-24日本代表のキャプテンとして、A代表経験者として。中山雄太がチームの中心になる(写真◎小山真司)
オーバーエイジとのパイプ役にも
U-24日本代表のキャプテンとしては、フル代表のキャプテンがオーバーエイジとして加わってくれることを頼もしく感じている。中山雄太は吉田麻也から多くを吸収するつもりだ。
「まずは僕よりも視野に入れているものがより多いですし、そこから選択している行動は学ぶことが多いです。また新しい変化だったり、刺激がU-24の選手に与えられると思うので、そういった部分は還元されるのではないかと思います」
もちろん、中山自身もA代表のキャリアがあるから、頼り切るようなことをするつもりはない。一つのチームとして機能するには、遠慮は邪魔だ。それぞれが自分で意見を発信しなければ、強いチームは生まれないし、ましてやオリンピックで金メダルを取ることはできない。
「U-24というか、アンダーカテゴリーの世代で見受けられる問題だと思っていて、自分の意見もそうですし、他の選手のアイデアを取り入れることで自分に返ってくるものだと思います。自分たちが何を思っていて、どうしていきたいかをしっかりと共有するアクション、コミュニケーションはもっともっとあったほうがいいですし、そこはA代表とは違っている部分かなと思います」
プレーの面ではそのユーティリティー性は大きな武器だ。オリンピックでは登録メンバーはわずか18人。複数のポジションをこなす選手が重宝される。中山であればボランチ、左サイドバック、センターバックだ。
「サイドバックは僕のキャリアではあまりやってないポジションで、A代表であれば近くに素晴らしいお手本の選手がいるので、練習の中でも盗めるものは盗むという意識でやることで、成長につながると思っています。一瞬、一瞬の成長できるチャンスを見逃さないというのは意識していることで、それがユーティリティー性に生きているのではないかと。それが秘訣じゃないですけど、一番のことかなと思います」
今回の活動は本大会のメンバー入りのサバイバルであり、かつチームを一つにまとめていく、という難しい作業が求められていく。A代表経験者でもあり、U-24代表のキャプテンでもあり、複数ポジションをこなせる能力があり、と中山にはまさにピッチ内外で幅広い役割が期待されている。
「ユーティリティ性がすごく強みにもなっています」
「オーバーエイジの3人(吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航)はU-24の選手と全員が全員絡んでいるわけではないので、スムーズな関係性になれるような、パイプ役じゃないですけど、そういったところはしっかり担っていきたい」
自覚は十分だ。