東京五輪世代の国内組による『U-23日本代表候補トレーニングキャンプ』は今日26日、最終日を迎える。今年1月以来、約1年ぶりに代表活動に参加した田中駿汰は2020年を振り返り、東京五輪、そしてA代表への思いを語った。

上写真=今回の合宿では4バックやボランチでプレー。その万能性も田中の武器だ(写真◎サッカーマガジン)

五輪を経て、目指すべき場所はA代表

 大きく成長した1年になった。昨年までは大学生でこの代表の常連だったが、プロとなり、J1の戦いの中で揉まれた。しかも所属する札幌では複数のポジションをこなしている。田中にとって今季は長足の進歩を遂げるシーズンになった。

「コンスタントに試合に出させてもらった中で、自分としてはいろいろなポジションを試合の中で経験できました。プレーの幅を広げられたシーズンだったと思います。
 今までボールを持ったときのプレーに重きを置いていましたが、ボールを持っていないときの動き出しの部分で幅が広がったと思います。とくに右のCBに入ってからはその動き出しの部分とか、今まで取り組んできていなかったことをいろいろと試合の中でトライできた。オフザボールの面で成長できたと思っています」

 代表活動は今年1月、グループステージ敗退に終わったAFC U-23選手権以来。約1年ぶりになる。今回の合宿では、自身の成長した姿を見せられるかどうかがテーマになる。森保一監督が常連組に期待するのも、まさにその部分。

「後ろからのビルドアップは常に意識して取り組んできたことです。代表に入っても変わらず、自分のところから起点になるパスを、後ろでも前のポジションでも縦パスは自分の強みなので、そこは出していきたい。
(代表と札幌で)大きく変えているところはないですけど、ミシャさん(ペトロヴィッチ)のチームでは攻撃面を重視してやっているので、代表では守備のリスク管理の部分をもっと考えながらやっていかないといけない。攻守両面ですが、とくに守備の部分は意識してやらないといけないと思っています」

 今回の合宿ではボランチと4バックのCBを務めていたが、札幌では3バックの一角かボランチ。その違いでポイントになることとは?

「4バックなら、しっかり後ろの2センターバックで安定性を出して、そこから安定したビルドアップという形でやっていくことが大事。ただ、僕としては3でも4でも大きく変わらない。後ろからしっかり組み立てるというベースは、どっちでやってもあると思っています。とりあえずビルドアップには常に関わっていきたいと思います」

 しっかりアピールして五輪メンバーに残り、いい形でステップアップすることを目指す。

「オリンピックという目標があるけど、森保さんが言うように、オリンピックからA代表という流れで行くのが一番いい。自分としてはオリンピック、そしてA代表に入っていきたい。そのための力をつけないといけない。まだまだできていないですが、目指すべき場所がA代表というのは、ブラさずにやっていきたいと思います」

 東京五輪、そしてカタールW杯へ。同世代のライバルたちと過ごした今回の合宿でその思いをいっそう強くした。見据える場所へ向かうために、田中はこれからも自分を磨いていく。