上写真=よどみなく取材陣の質問に答えた森下龍矢(写真◎スクリーンショット)
安部と中村は自分の基準
明治大時代は三冠に貢献し、最強明治といわれたチームで活躍。そして今季、鳥栖に加入して定位置をつかみ、大卒ルーキーながら33試合3得点という数字を残した。しかしながら本人も「期待していた」U-23日本代表候補トレーニングキャンプには当初、招集されなかった。だからこそ、追加招集は「うれしかった」と話す。
「一言で言えば、地獄から天国に来たような気持ちなんですけど。最初、外れたときは率直に悔しかった。ただ大学のときは悔しいなんてまったく思わなかったので、東京オリンピックに向けた候補合宿のメンバーに外れて悔しいというところまで来れたのは、サガン鳥栖のおかげだし、自分が成長できた証なのかなと思いました。正直、ここまで五輪代表の人たちがどういうことをしてきたかは分からないので、ここから一から築き上げて、僕がプラスアルファでもたらせるものをただピッチで表現しようという気持ちで、ここにいます」
かける思いには並々ならぬものがある。どんな自分をアピールしたいかについては、こう答えている。
「勢いだなって思います。うまい選手はJリーグでやっていても全然いますし、僕なんかよりも経験があって得点を取れて守れてという人はたくさんいます。ただ僕以上にチームに勢いをもたらせる人はいないんじゃないかなと思っているので、いい意味で追い風になれるように、追加招集ということで。選ばれている人たちを追い越すためにはガンガン行きたいし、そういうことが必要。メンバーに風穴を開けるくらいのことができたらいいなと思います」
今回の合宿には大学時代のチームメイトやユニバーシアード代表でともに戦ったメンバーも多い。とくに明治大の同期、安部柊斗、中村帆高(ともにFC東京)は森下にとっての基準となる選手たちだ。
「本当に、彼らが比較基準というか。大学時代から一緒にやって来た僕と彼らの差があるし、今回、合宿に選ばれて、どんだけその差が広がっているのか縮まっているのか、まだプレーしていないので分からないですけど、彼らの存在というのは、自分が今どういう立ち位置にいるのかを調べる基準だと思っています」
自分の成長を改めて確認する意味でも重要な今回のトレーニングキャンプ。森下は、チームを刺激する存在になると誓っている。