上写真=堂安律は「先頭に立って声かけできたら」とリーダーとして戦う(写真◎福地和男)
「どうなるか分からない」けれど
「そういう想定はもちろん頭の中にはありますけど、ゲームはどうなっていくか分からない」
キリンカップ決勝のニュージーランド戦を翌日に控えて、堂安律は分析と危機察知の両方を備えておく。
「そういう想定」とは、ここまで3試合の南米の難敵のような強度の高いスタイルとは異なり、ニュージーランド戦では日本がボールを保持する時間が長くなるだろう、という見込みのことだ。実力差を天秤にかければ当然の予想だが、一方で、それが余計な「思い込み」にならないように自戒を忘れない。
「だから、あまりそういうものにとらわれずというか、いろんな局面を準備していますし、もし押し込んだ状況の局面になれば、アジアカップに向けては非常にいいテストマッチになると思います。相手の1トップも大きくて、セットプレーやカウンターにかけてくる、ということは、アジアカップでもそういうことは想定できる。そんなイメージをしながら、明日また試合前に先頭に立って声かけできたらなと思います」
キリンカップの優勝をもぎ取るのは、もちろん。ニュージーランドという相手を「仮想アジアカップ対戦国」にセッティングすることで、より多くの収穫を手にするつもりだ。
今回の9月10月シリーズではキャプテンに指名されて、チームのど真ん中で戦ってきた。リーダーとしての自分を信じてきた一方で、アタッカーとしての自分にはより多くのものを求めている。
「前回の試合は相手(エクアドル)もレベルが一つ上がって、少し仕方ないと自分の中では思いましたけど、1、 2試合目(ウルグアイ、ベネズエラ)はもっと自分の攻撃のところを出さなくちゃいけないなと思ってました。明日の試合は展開次第ではもっと狙える展開が来ると思うので、やっていきたい」
つまり、ゴールへの関与である。理由はきちんと整理できている。
「そもそもシュート数が減ってるんで、そこがやっぱり自分の課題ではあると思います。特に1試合目はシャドーで使ってもらった中でシュートシーンが少なかったので、そこが課題かなと」
ウルグアイ戦では先発して63分まで、ベネズエラ戦では71分から、エクアドル戦では再び先発して67分までプレーして、公式記録でいずれもシュートはゼロ。
守備の強度の高さも献身性も、日本代表のトップランカーである。だから右アウトサイドのポジションでワールドカップも戦ったが、より攻撃に関わることのできるシャドーが攻撃の持ち味がより発揮しやすいポジション。
もちろん、堂安自身が言うようにニュージーランドとの試合は「どうなるか分からない」。それでも、少なくとも分かっているのは、どこでどんな役割を求められるにしても、攻撃への強い意欲を持ってフィニッシュワークに絡んでいく背番号10が日本を引っ張っていくことだ。