上写真=日本のエース、上田綺世がそのゴールで日本を強くする(写真◎福地和男)
「自分たちからボールを取りにいって」
10月5日のアジアカップ決勝は、ニュージーランドが相手。上田綺世が相手を分析すると、こんな表現になる。
「FWにプレミアリーグの選手がいて、そこにシンプルにつけて勢いに乗ってくる戦術をまとってくることが予想されるので、僕らにとっては相性が悪いというか、課題になるようなスタイルの相手だと思う」
ノッティンガム・フォレストに所属するクリス・ウッドは、31歳、191センチの長身ストライカーだ。アジアでの戦いでは多くのチームが日本に対して厳しく深く守ってから、次々とハイボールを放り込んでくるケースが多い。日本は過去の重要なゲームでその戦法に屈していて、例えば前回のアジアカップ2023(開催は2024年)はイランに準々決勝で1-2で負けたし、その前の2019年の決勝でもカタールに1-3で完敗している。ウッドの武器を最大限に活用するニュージーランドは、その戦い方に近い。
今回の4連戦では、ここまでの3試合で南米勢と戦って2勝1引き分け(PK戦で勝利)。相手のタフな強度を上回るバチバチのバトルを戦い抜いたが、今度は少し毛色の違う相手を倒す必要がある。
「(放り込んでくる相手への対応が)重要な位置付けになるかは分かりませんけれど、でも(アジアカップに)近いシミュレーションにはなるかもしれない」
上田は1月のアジアカップへのリハーサルとしての要素も考慮しながら、まずはキリンカップ優勝を果たすために戦うつもりだ。
一方で、今回はワールドカップでベスト32で敗退させられたあとの初めての活動になった。再出発の日々でトライしてきたことの集大成にもしたい。その大きな要素が、自分たちからボールを奪いに出て、奪い切ること。森保一監督の言う「いい守備からいい攻撃」における守備のバリエーションを増やして深める作業だ。
「特に守備のところはワールドカップの反省もそうだし、日本代表の今後を考えた上で、自分たちからボールを取りにいって、さらに自分たちのボールポゼッションを上げることにつなげていくことにトライして、データにも出ています。もちろん90分続けていくのは、まだ始めたばかりで難しい部分もあるけど、でもポジティブな部分もあって。
ただ、エクアドル戦の後半のようにインテンシティを保てずにオープンになる展開ももちろんあるので、その中でゲームを落とさなかったのは良かった点ではあるだろうし、この3試合でそうやってトライすることが課題を生むことにもなるので、それは僕らの成長を考えた上ではすごく素晴らしいことかなと思います」
南米勢への守備のトライで得た強度を再現すること。守り倒してくる相手を崩すアジアカップのリハーサルにすること。その両方に道筋をつけるのが、このニュージーランド戦というわけだ。
今回のシリーズの最後となる一戦は、アジアカップまでで退任が決まっている森保一監督にとっては、国内で開催されるラストマッチになる。上田はここまでの3試合、いずれも後半からの出場で3ゴール1アシスト。満を持して先発することが期待される日本のエースが、ゴールで華を添える。