上写真=ピッチ内でもピッチ外でも南野拓実がいることがチームにとっては大きいようだ(写真◎JMPA松本輝一)
もっともっと真剣にやっていく必要がある(菅原由勢)
チームの雰囲気がピリッと引き締まってきた。
今月8日のナッシュビル入り後、初めてオフを過ごして迎えた10日の練習は初めてナッシュビルSCのトレーニング施設で行われた。オランダとの初戦が4日後に迫ったこともあり、自然と集中力も高まったこともあるだろう。だが、大きかったのは練習前のミーティングで南野拓実がメッセージを送ったことだという。伊東純也が明かす。
「いろんな選手とコミュニケーション取っていると思うし、きょう練習前に拓実がミーティングのときに話していたけど、ずっと一緒にやってきた仲間なので、いてくれるのは個人的にはうれしい。(内容?)いや、何言ってたっけなあ(笑)。チャレンジャーだからやっていこうと、士気を上げる感じのことを言っていたと思う。開幕が近づいてきて、上の人、佑都くんだったり、麻也くんとか、拓実とか率先して声を出していると思うし、盛り上げてくれているのはありがたい」
左ヒザの前十字靭帯断裂から復帰の途上にある南野は今回、残念ながら選手としてはメンバーに選ばれなかった。しかし、8日からチームに帯同すると、メンターとしてサポート役を積極的に務めている。
「(ミーティングの前に)拓実くんも初戦が大事だって言っていたし、『死ぬ気でやらなあかん』みたいな感じで言ってたんで。その通りだと思うし、もっともっと真剣にここからやっていく必要があるなっていうのを再確認させてくれた。すごいありがたいです」
そう話したのは菅原由勢だった。鈴木彩艶も同じように南野の言葉を受け止めていた。
「拓実くんらしく、みんながパワーをもらえるような、笑顔が出るようなコメントでしたし、最後は本当に引き締まるコメントをしてくれました。練習の中でも外から拓実くんは見てくれていましたけど、ところどころ戦術的なコメントもそうですし、雰囲気的なコメントもしてくれたので、本当にみんなの、チームの気が引き締まるという感覚があったので。本当に素晴らしい選手が改めて(チームに)入ってくれたなと思います」
選外になった選手がチームに帯同するのは異例といえば異例だが、森保ジャパンを長く支えてきた中心選手であり、そこにいるだけでチームにプラスになっているという。
「(W杯に出られない)彼の気持ちは、本当に考え切れないですけど、プレーしたい気持ちがある中で、やっぱりこうしてサポートに回ってくれている。この代表に懸ける思いが強いんだなと感じましたし、そういった選手の分も、しっかりとした戦いを見せなきゃいけない」
彩艶は気持ちがより引き締まったと言った。そして上田綺世は「一緒に戦えることがうれしい」と話す。
「拓実くんの言葉がとかっていうよりも、やっぱり彼自身がそこにいる、経験があって、僕らの信頼もあって、これまでずっと一緒に戦ってきた拓実くんがそこにいること自体が、僕らにとってはポジティブなこと。彼はケガをして(W杯に)出られないけど、それでも一緒に戦えるのはもちろん僕らもうれしいし、拓実くんもできる限り力になると言ってくれているので、そういった点でやっぱりポジティブな影響を与えてくれていると思います」
誰よりもこのチームを知り、強い思い入れを持つ南野とともに臨む北中米W杯。カタール大会の前年に不整脈のためにプレーできなくなり、サポート役として世界を制すアルゼンチン代表に帯同したセルヒオ・アグエロのように、南野拓実も今、日本代表の側にいて、ポジティブな効果をもたらしている。
取材◎佐藤景【現地】