上写真=堂安律は前半のみのプレーだったが、「練習」で収穫を得た(写真◎毛受亮介)
■2026年5月31日(日) 国際親善試合(観衆62,212人/@MUFG)
日本 1-0 アイスランド
得点:(日)小川航基
「そういう大胆さも必要」
堂安律は右ウイングバックで先発して、前半のみのプレーで退いた。だが、非常に意義のある「練習」になったという。
「なんかこういうのは本戦でありそうやな、みたいな感じで試合をしていました」
アイスランドは5-4-1の陣形で深く構えて、こちらが出ていけば対面の左ウイングバック、ロイ・トマソンが執拗に当たりにくる。逆にあちらが攻めに出てくれば、左サイドハーフのクリスティアン・ノックビ・ヒリンソンがウイングのポジションに立ってタッチラインぎりぎりで幅を取ってくるから、堂安が最後尾まで戻って対応せざるを得ない状況を作ってきた。
それは、ワールドカップでも十分に起こりえる反応だと感じていた。
「ウイングバックとシャドーの関係性がいま現在強い中で、オランダもチュニジアもスウェーデンもおそらくそこは警戒してくる。そうすればサイドに入るときに当たってくると思うし、今日もウイングバックの僕にマンツーマン気味で背後に行ってもついてくるような状態だったので、少しやりづらさは感じていました」
ただ、前半にうまくいかなかったからといって、その時点で勝負に負けたわけではない。
「でも、後半になれば相手は出て来るかな、みたいな感じでやってたんで。残念ながら前半で交代でしたけど、とりあえず失点ゼロで後ろはやらなければ後半は空いてくるだろうと予測はしながら試合には挑めました」
そして実際に前半を0-0で終えると、試合終盤、87分に菅原由勢のクロスを小川航基がヘッドで仕留めて、1-0の勝利をもぎ取った。
「もちろんチャンスがあれば狙ってますけど、90分間の中で勝利をもぎ取る一つの戦術ではある。由勢のクロスからゴールを決めたのはチームとして想像できるというか、本戦でもああいうことができそうな雰囲気があるので、成熟したチームですし、ちょっと悪い流れのときもありましたけど、失点しなかったのも一つ、成長してるかなと思います」
これはあくまでテスト。もちろん、62,212人の大観衆を集めた壮行試合で派手に勝てば盛り上がるが、本大会につながる何かを手にできることのほうが実がある。
というわけで、
「前半なんかは、見ている人たちからしたらちょっと停滞してるな、みたいな感じでしたけど、やっている側は0-0でいいからうまく試合を後半に持っていけば、自分たちの流れが来ると思っていたので、僕たちからすると想定内のゲーム運びだった」
ということになる。
もちろん、停滞を打破する必要があったことも忘れてはならない。
「ちゃんとオーガナイズしてくる相手にポゼッションしても、自分のポジションにステイしているだけじゃやっぱり崩れない。誰かが違うポジションに変更するかとか、タケ(久保建英)とオレがポジションを変わるとか、(伊東)純也くんと(中村)敬斗が変わるとか、例えば大胆に純也くんが自分のウイングバックのところまで来て、オレが左のシャドーに入っていくとか、そういう大胆さも必要だと思います」
ウイングバックとシャドーが縦に入れ替わったり、シャドーがレーンをまたいで逆サイドのワイドまで進入するローテーションの効果だ。
実際に右シャドーの久保は何度も左に移って伊東や中村とのコンビネーションで崩したし、ほかにも右の冨安健洋、左の伊藤洋輝とセンターバックがウイングバックのように振る舞ったり、インサイドを駆け上がったりして、そのリスクをボランチが引き受けて後ろをカバーする連動もあった。
「特にチュニジア戦はそういった試合が想定されるのかな、ということを考えていたので、非常にはいい練習のゲームになったと思います」
この白星を手に、チームは日本を発つ。「練習」の大きな成果を目にすることができるまで、もう少しだ。