サッカー日本代表は現地28日、『KIRIN WORLD CHALLENGE 2026』でスコットランド代表と対戦する(日本時間29日2時00分開始/@ハムデン・パーク)。実力拮抗だった欧州予選グループCを首位で突破し、1998年フランス大会以来のワールドカップ出場権を獲得したスコットランド代表とはどんなチームなのだろうか。

クラーク監督のもとでチームは団結

予選のデンマーク戦で決めたオーバーヘッドが描かれた建物の前で練習するマクトミネイ(写真◎Getty Images)

 彼らのもう1つの強みはチームの一体感だろう。クラーク監督はウディネーゼで台頭するレノン・ミラーや唯一の初招集選手となったフィンドリー・カーティスのような10代の若手から、ロバートソン、ティアニー、マクリーンら30代のベテランまで幅広く招集し、年齢バランスのいいチームを作ってきた。

 若手組の1人であり、今回が2025年6月以来の代表招集となったトミー・コンウェイはスコットランド紙『デイリー・レコード』のインタビューで、チームの団結についてこう述べている。

「遠征に出て、いつも笑ったり冗談を言い合ったりすることで、みんなの絆が深まります。結束の固いグループで、仲間と一緒にプレーできる。仕事や義務のように感じることはありません。チーム全員を代表して言いますが、みんなで一緒に遠征に行くのが本当に楽しいんです。

数日前に(アンドリュー・)ロバートソンとこのことについて話した時、彼はここ数年のチームの一体感は本当に特別なものだと言っていました。兄弟や仲間と一緒にプレーしているような感覚を味わえる時こそ、サッカーを心から楽しめる。お互いのために戦い、泥臭いプレーもいとわない。それこそ彼が最も大きな変化だと感じている点です。試合でリードを許した時も、同点に追いついた時も、勝利をつかむための最後の決め手となる何かを全員で見つけ出すことが重要になんだと」

 招集メンバーから外れていたコンウェイは、昨年11月のデンマーク戦を自宅のテレビで観戦していた。劇的な勝利を「父と一緒に試合を見ていて、リビングで飛び跳ねていた」というが、「その後のみんなの祝賀ムードを見て、自分もここにいたいと思った」と同時にチームへの想いを強くした。

「みんなと一緒に祝いたかったんです。その気持ちが3月に必ずここに戻ってこようという強い気持ちを掻き立ててくれました」

 イングランド2部のミドルスブラでプレーするコンウェイは2025-26シーズン開幕から昨年11月の代表ウィーク直前まで、リーグ戦でわずか2得点と苦しんでいた。ところがスコットランドのW杯出場権獲得以降は24試合で6得点と復調。見事に9ヶ月ぶりの代表復帰を果たしている。

 セリエAのボローニャに所属するルイス・ファーガソンは「クラーク監督が就任した当初は、一部の選手が試合に出たがらない時期もあっただろう。だから、なかなか結果が出ずに主要大会への出場が叶わない状況を変えた彼の功績は大きい。彼はスコットランド代表としてプレーすることの意味を、選手たちに再び感じさせてくれた」と、チームに誇りと一体感を取り戻した指揮官の仕事ぶりを称賛した。

「代表のみんなと集まるのを楽しみにしています。一緒にいると本当に楽しい時間を過ごせますから。チーム内の雰囲気はとても良く、ポジティブです。メンバー同士の関係性も、築き上げてきた文化も素晴らしい。

昨年12月にナポリと対戦した時、試合前に会ったスコッティ(マクトミネイ)が最初に言ったのは、『3月にまた会えるのが待ちきれない』ということでした。3カ月も先の話ですよ? スコッティのようなレベルの選手でも、そういう気持ちになるというのが意味することはわかりますよね。結局のところ、監督が作り上げたチーム文化が全てなんです。このチームには素晴らしい人たちがたくさんいます」

 日本代表にも似た雰囲気を持ち、全員がスコットランドを背負って戦うことに高いモチベーションを持っている。欧州予選の厳しい戦いをくぐり抜け、W杯への道を切り拓いたチームの一体感は、国際親善試合だろうとここぞの場面で大きな力になるはずだ。

 確かなクオリティと積み上げてきたサッカーへの自信、そしてスコットランドを代表することの誇りを胸に一致団結してゴールを目指す“タータン・アーミー”との一戦は、W杯での躍進を目指す日本代表の現在地を推し量る重要な試金石になるだろう。

文責◎舩木渉