サッカー日本代表は現地28日、『KIRIN WORLD CHALLENGE 2026』でスコットランド代表と対戦する(日本時間29日2時00分開始/@ハムデン・パーク)。実力拮抗だった欧州予選グループCを首位で突破し、1998年フランス大会以来のワールドカップ出場権を獲得したスコットランド代表とはどんなチームなのだろうか。

上写真=イギリス遠征の初戦で、日本は劇的な予選突破を果たしたスコットランド代表と対戦する(写真◎Getty Images)

コンパクトなブロックとカウンター

 昨年11月の北中米W杯欧州予選最終節。グループCの2位だったスコットランド代表は、首位のデンマーク代表との直接対決を劇的な形で制して28年ぶりとなるW杯への切符を勝ち取った。

 スコット・マクトミネイが鮮烈なオーバーヘッドキックで先制点を挙げたのは開始3分のこと。だが、後半アディショナルタイム突入の時点でW杯出場権はデンマークの手中にあった。リードしては追いつかれ、リードしては追いつかれ……相手の執念に気圧されていた。

 それでもホームの大声援に後押しされた“タータン・アーミー”は最後まで諦めなかった。後半アディショナルタイムの93分にキーラン・ティアニー、そして98分にはケニー・マクリーンがゴールネットを揺らしてデンマークを突き放す。ともに途中出場だったチームの象徴とも言えるベテランの2人がスコットランドをW杯の舞台へと導いた。

 日本代表と対戦する会場は、デンマーク戦と同じハムデン・パークだ。ベラルーシ、ギリシャ、デンマークといった実力国との厳しい予選を勝ち抜いてきた記憶と自信が満ちたスタジアムで“サムライブルー”を迎え撃つ。

 2019年5月に就任して以降、スティーブ・クラーク監督はじっくりと時間をかけてチームを育ててきた。現在のスコットランドは4-3-3(4-1-4-1)や4-2-3-1を基本システムとし、コンパクトなブロック守備と鋭いカウンターを武器にしている。

 欧州予選を通じて平均46.34%のボール支配率が示す通り、ポゼッションはそれほど重視していない。3ラインの距離を空けず、相手の特徴に合わせてミドルブロックとローブロックを使い分けながらボールを絡め取ると、走力の高さや空中戦の強さを生かした速攻でゴールに襲いかかるのが十八番の形だ。最前線のストライカーはやや迫力に欠けるものの、守備の安定感と戦術練度の高さによって欧州予選の6試合で13得点7失点という成績を残した。

 スコットランドの招集メンバーを見ると、主力にはイングランド・プレミアリーグやイタリア・セリエAなど欧州の主要リーグで活躍している選手が多くいる。中でも戦術・戦略の肝となっているのは左サイドの厚みと2列目の得点力だろう。

 左サイドバックにはチームキャプテンのアンドリュー・ロバートソンが君臨し、デンマーク戦で劇的な勝ち越しゴールを挙げたキーラン・ティアニーも控える。かつてアーセナルで活躍し、現在はセルティックで前田大然らとチームメイトのティアニーは代表チームでセンターバックとしてプレーすることもある。

 ともに左足の正確なキックやリーダーシップを備えるロバートソンとティアニーが組み立ての段階から積極的に全体を押し上げ、左ウイングのジョン・マッギンと連係しながらボールを前に進めていく。

 最前線のターゲット役が競り合いで強さを発揮すると、今度は2列目のアタッカーたちの出番だ。アストン・ヴィラでも躍動するマッギンや、ナポリをセリエA優勝に導いてリーグMVPにも輝いたマクトミネイといった運動量豊富で球際にも強い実力者たちがセカンドボールを回収し、ゴールへ向かっていく。スコットランドの攻撃には左で作り、右で仕留めるといった明確な流れがある。今回の活動では右サイドで主軸を担うベン・ギャノン=ドークが負傷により不在だが、代役には事欠かない。