11月14日にガーナとのテストマッチを2-0の勝利で終えた日本代表は、18日のボリビア戦に向けて動き出した。北野颯太はガーナ戦でデビューできたことを喜びながらも、このままでは足りない何かを求めてゴールを目指していく。

上写真=C大阪出身の先輩、南野拓実と共演したい。「そこはオレ次第。頑張って入れるように」(写真◎毛受亮介)

武器はファーストタッチ

 ガーナ戦の75分、北野颯太がピッチに飛び出した。うれしい代表デビューだ。

 DF安藤誓哉とFW後藤啓介とともにピッチに入り、フレッシュに駆け回った。2-0でリードして、残り15分とアディショナルタイムが与えられた時間だ。。後藤も同じくデビュー戦だったから、ともに前へ前へとアピールに必死だった。その分、少しの反省も。

「若い3人がピッチに出て、チームに勢いをもたらすという意味でも3人はすごく生き生きできましたけど、(ボールにアタックに)行く行かないの判断はチームとしてやっていかないといけないので、後ろの声を聞くというのも次の試合は大事になると思います」

 森保一監督からは「チームのやるべきことをしっかりやってほしい」という指示を受けたというが、勢いに任せた部分もあったと振り返る。

「守備のところで、ずっと(藤田譲瑠)チマ君から行くな行くなと言われていたのは聞こえていたんですけど、行きたい気持ちもあったし、啓介も行くからオレも付いていくしかなかった。チマ君の声にごめんと言いながら行っていました。そこの確認と、後ろは止まってほしかったけど、今日は仕方ないな、という話をしました」

 82分には佐藤龍之介が交代で入ってきて左シャドーへ、最前線に後藤、右シャドーに北野とトライアングルを組んだ。日本の未来を照らすタレントトリオが揃い踏みだ。

「(佐藤とは)もっと近い距離でパス交換を増やしたり、年齢が近いこともあってよく話すので、そこのコミュニケーションを大事にしながら、僕らが攻撃の中心になれるようなプレーを増やしていきたいと思います」

 もちろん、ポジション争いは激烈だ。シャドーで起用されてきた選手には南野拓実、鎌田大地、三笘薫、久保建英、堂安律、伊東純也、中村敬斗などなど、経験豊富でゴールを奪いきれるタレントが揃っている。そんな彼らに続いて、さらに追い越す意欲がある。

「争いが激しいポジションだと思いますし、その中でも勝ち取っていかないといけない。そこは自分自身も分かっていますし、結果を少しずつ残していくことが一番の近道だと思います」

 この夏にセレッソ大阪からオーストリアのザルツブルクに移籍。クラブワールドカップでデビューし、国内のリーグ戦のほか、チャンピオンズリーグ予選ラウンドやヨーロッパリーグで結果を残して、一気に代表にまではい上がってきた。

「ザルツに限らずですけど、若い選手が多い中で1試合、点を取らなくて、サブの選手が点を取ったら一気に変わるようなクラブなので、1試合で活躍したからといって次の試合で点を取れなかったら……という危機感が常にある。そこの得点、アシストへのこだわりは向こうに行って強くなりました」

 ボリビア戦を前にして、結果を残すための準備はできている。

「ファーストタッチはもともと武器にしていたので、よりはがしやすいというか、一発で割と突っ込んでくれるイメージもあるので、そこは自分の武器とちょうどマッチして、うまくはまればやりやすいなと」

 ワールドカップで結果を残すようなチームは、大会できらめく新星が必ず現れる。それが自分であるために、北野はひたすらにゴールを目指す。