上写真＝早川友基がゴールをガッチリ守って無失点！（写真◎毛受亮介）
■2025年11月14日 国際親善試合（観衆40,030人／＠豊田ス）
日本 2-0 ガーナ
得点：（日）南野拓実、堂安 律
「クリーンシート、でか！」
代表キャップ2試合目の守護神が、見事にクリーンシートを達成だ。早川友基がゴールを守り抜いた。湧き出た感情は二つ。
「とりあえず無失点で勝つことができてほっとしてます」
「（力を出せたかは）半分半分ぐらいですかね。もう1回やり直したいです。もう1試合したいです」
安心感と、日本代表でプレーし続けたい欲の両方だ。
10月シリーズでブラジルに大逆転で史上初めての勝利をもぎ取ったものの、2失点。その前のパラグアイ戦、さらに9月のアメリカ戦でも2失点していて、今回のチームの大きなテーマの一つが「無失点勝利」だった。それを完遂した。
3バックの右に入った渡辺剛は、早川の安定感を称えた。
「彼もJリーグでバリバリやっていますし、入りのところはペースをつかむまで難しいと思うので簡単にやって、途中からは落ち着いてやっていたし、自分たちの裏のケアも、彼が前に出てきて積極的に守備して良さも出せたと思います。今回はあまりシュートセーブはなかったですけど、彼ができるっていうのはもうみんな練習で分かっているので、信頼してできてると思います。自分たちもハヤのこと信頼できているし、ハヤも自分たち信頼しながら動かせていると思います」
渡辺の言う「裏のケア」は、29分のこと。右裏のスペースにロングパスを送り込まれ、渡辺が相手との走り合いになったところで、後ろから早川が猛ダッシュして飛び出して、大きくクリアしてみせた。明確な判断力が表れたシーン。
「そこはうまく対応できたかなと思いました。足の速い選手が背後を狙ってくるというインフォメーションもあったので、そこで自分が背後のカバーに入るのは試合を通じて意識できたかな」
早川も納得のシーンだった。
Jリーグで名を上げた大きな理由の一つに、まったく動じない姿勢からの鋭いシュートストップがある。この日のガーナは迫力不足でその持ち味を披露する危険なシーンはほとんどなかったが、早川にとって初めてのアフリカ勢との対戦で学ぶことも多かった。
「身体能力の部分も優れている相手に、自分のプレーがどれだけ通用するのか、いろいろと感じられる素晴らしい機会でした」
その「いろいろ」の中には、本当に細かい反省が含まれる。
「一瞬、自分がトラップしてからの、本当に細かい駆け引き。自分が、例えば左に出そうかと思っているのをうまく消しながら徐々に狙ってきたり、自分が持ち運ぼうと思ったタイミングで一気にプレッシャーをかけてきたり、そのスピード感の強弱や、背後に走ってくるスピードの速さは感じました」
キックの蹴り分けもその一つ。
「パスの質の部分、長いボールを使うのか、短いボールを配球するのかの判断は、精度も含めてもう少しやれたかなと思います」
それを克服するために、いますぐにでも「もう1試合したい」のだ。
鈴木彩艶（パルマ＝イタリア）が骨折で辞退し、大迫敬介（広島）も天皇杯準決勝に進出したため選外。そんな状況で回ってきた大チャンスで、きっちりと無失点に抑えてみせた。
だから、菅原由勢がミックスゾーンで早川の横を通り過ぎるときに叫んだように、「クリーンシート、でか！」なのである。