サッカー日本代表が迎える11月シリーズ。14日のガーナ代表戦に向けて11日にトレーニングを行なった。20歳で初めてメンバー入りした後藤啓介は、191センチの長身と初々しさで日本に新しい風を吹かせる意欲に満ちている。

上写真=後藤啓介は日本のエース、上田綺世を見習いながらも、自慢の長身で新しい武器を日本に授ける(写真◎青山知雄)

「やっとだな」

「見てきた選手ばかりなので、ちょっとまだ実感があるとは言えないですけど、でもすごい楽しみで、いろんな選手が話しかけてくれて、いい一日でした」

 初めて日本代表に選ばれた20歳のストライカー、後藤啓介は初々しい。だが、「やっとだな」「もっと早く選ばれたかった」という思いを素直に吐露する。

 ジュビロ磐田で2023年に17歳でJリーグデビューしてから2年9カ月。ようやく最高の舞台にたどり着いた。だが、これは本当の飛躍の第一歩。

 ベルギーのアンデルレヒトからシント=トロイデンVVに移籍して、リーグ戦12試合4ゴールと、プレー機会とゴールを増やしてこのチャンスをつかんだ。直近の11月9日のスタンダール・リエージュ戦では1-0の勝利に導くゴールも決めている。

「いまの監督(​​バウテル・フランケン)が守備を重視していて、プレスバックや切り替えの速さのことはすごく言われます。(クラブに)日本人があれだけいるので、献身性が90分間を通して出ていると思うし、それが直近のゴールにつながっていると思います。そういうところは代表に来ても変わらないと思うので、示していけたらなと思います」

 森保一監督が掲げる日本代表のポリシーは「いい守備からいい攻撃」。それを地で行くプレーをベルギーで続けている。適応にそれほど時間は必要ないだろう。

 今回のフィールドプレーヤーで一番大きい191センチの長身は大きな魅力。ただ、自信があるのはそれだけではない。

「高いというのはすごい長所になりますし、最近では強さも努力してるので、足元(技術)もあって、高くて強い選手になれれば、より日本をもう一つ先に連れていける存在になれると思うので、頑張りたいです」

「そもそも走るのが得意だったので運動量には自信がありますし、現代サッカーのフォワードが守備をしないなんてことはないですし、そういう面で違いを出したり、良さを出せるのなと思います」

「いま取り組んでいるポストプレーや、先に体を当てて味方を使うプレーを代表でどれだけできるかは楽しみですし、やっぱりゴールはしっかり狙ってプレーしていきたい」

 世界に伍して戦う上で、その長身を軸にしたオールラウンドなプレーは何よりの武器になる。この11月、後藤が日本代表に未来への新しい光を届けるつもりだ。